美容・化粧品
第115回は、2025年3月28日発刊の『2025年 化粧品企業のR&D戦略』です!
主要化粧品企業のR&D戦略を、組織体制、R&D費・人員、注力テーマ、特許、産学官との提携状況、海外市場への対応などから多角的に分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの福原裕子、武本美沙に調査のポイントをインタビューしました!
福原裕子 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Beauty & Cosmetics
主任 福原裕子
—Profile—
2017年の入社当時から化粧品分野でマーケット調査を担当。
これまで、通販市場やスキンケアに関する市場調査のほか、ヘアケアに関する消費者調査やコンサルティング業務にも携わっている。
2022年にコスメコンシェルジュの資格を取得している。
武本美沙 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty & Cosmetics
武本美沙
—Profile—
2023年の入社当時から、化粧品分野でマーケット調査と消費者調査を担当している。
直近では化粧品OEM企業の戦略調査や化粧品企業のR&D戦略調査を担当。
趣味は、カラオケと旅行先でご当地酒を買うこと。
SNSでバズった化粧品を購入し、使ってみるのが好き。
―今回のレポートでは、化粧品企業のR&D戦略についてフォーカスされていますが、なぜこのテーマを取り上げたのでしょうか?
武本:化粧品業界はコロナ禍を経て需要が回復しつつある一方で、国内市場の成熟化や、中国市場の景気低迷などの課題に直面しています。こうした中で、各企業が持続的に成長していくためには、単なる技術革新にとどまらず、市場のニーズを的確に捉え、それに迅速に対応できるR&D戦略がますます重要になってきています。
また、近年はAIの活用やパーソナライズド美容の進化、新たなビジネスモデルの構築など、従来の枠を超えた研究開発が求められる時代となっています。そこで今回は、こうした変化の中で各社がどのようなR&D戦略を描き、どの分野に注力しているのかを明らかにすることで、業界全体の中長期的な方向性を探ることを目的に調査を行いました。
―業界の転換点とも言えるタイミングだからこそ、各社のR&D戦略に注目が集まりそうですね。
今回の調査で、特に注目してほしいポイントはどこでしょうか?
福原:本レポートでは、化粧品業界の主要企業のR&D費や研究開発動向について、詳細に分析を行っています。さらに、特許出願状況や産学官との提携状況といった、企業ごとの具体的な戦力分析も網羅しており、他社との差別化要因や成長の方向性を読み解くうえで重要なデータを、全437ページにわたって収録しています。
中でも注目いただきたいのは、近年の研究開発の5つの潮流です。具体的には『製品開発のスピードアップ化』『パーソナライズド美容の最適化』『グローバルへの対応』『サステナビリティの推進』『新たなビジネスモデルの開拓』。この5つの視点から、各社がどのように変化に対応しようとしているのかを読み取ることができます。
―まさに今後の業界の方向性を読み解くうえでの重要な示唆が詰まった内容ですね。
調査を通じて、新たに見えてきた発見や意外な傾向などはありましたか?
武本:はい、いくつか興味深い発見がありました。まず、R&D戦略がマーケティングや生活者インサイトとの融合を強化する方向へシフトしていることが改めて明確になりました。例えば、資生堂の生活者と直接つながる研究施設のリニューアルは、消費者のリアルな声をいかに研究開発に反映するかという新たな挑戦です。
また、パーソナライズド美容の一つの方向性として、感性や嗜好といった主観的な感覚を数値化し、商品開発に応用するアプローチがあります。心地よさや「好き」と感じる感覚を科学的に捉えることで、個々の使用感に最適化された製品づくりを目指すものです。例えば、ロート製薬は「やみつきになる処方」の研究を進めており、使用時の快感や感覚的満足度の追求を重視した開発を行っています。
一方、もう一つの方向性として、個人の肌特性など生物学的データに基づいた医科学的なアプローチがあります。例えば、コーセーはiPS細胞を活用し、個々の肌に合わせた製品開発に取り組んでいます。再生医療技術を応用したパーソナライズド美容の展開は、美容と医療の垣根を越える意外な広がりとして、今後の展開が注目されます。
さらに、グローバル展開においても、日本市場の成熟を背景に、各社が海外展開を強化していることは予想通りでしたが、その中でも特に『現地市場ごとの特性に応じたR&D戦略の最適化』が進んでいる点が印象的でした。単に製品を輸出するのではなく、現地の文化や消費者の嗜好に合わせた研究開発体制を整えることで、より深く市場に根付こうとしている企業が増えてきています。
―消費者の声を取り入れた研究開発が、ますます重要になっているんですね。
実際にレポートをご覧になった方々からは、どのような反響がありましたか?
福原:ありがたいことに、内容の精度や実用性の高さについて、多くのポジティブなご意見をいただいています。特に、各社の研究費や研究人員の実態に関するデータについて、『非常にリアルで、なぜここまで詳しくわかるのか』と驚かれた方もいらっしゃいました。
また、『競合他社の研究開発の全貌が迅速に理解できる』という点も、ご購入いただいたお客様にご好評いただいています。自社の戦略を検討する際に、他社のR&D体制や研究技術がどのような製品に結びついているのかを把握できることが、戦略的な視点を持つうえで非常に役立つとのことでした。
さらに、特許出願状況や主要企業の研究開発動向が、技術トレンドの把握に有用ということで、化粧品企業の研究開発部門の方だけでなく、経営戦略部門やマーケティング部門、そして原料メーカーの方々にも高い評価をいただいています。
いただいたご感想を励みに、これからもお客様のニーズに応えられるよう、より精度の高い情報提供を目指していきたいと思っています。
―なるほど、研究開発部門だけでなく経営戦略やマーケティング、さらには原料メーカーまで幅広い方々にご活用いただける内容なんですね。では、最後になりますが、読者の皆様にメッセージをお願いします。
武本:化粧品業界の競争が激しくなる中で、今後持続的に成長するためには、他社に先駆けたR&D戦略がますます重要になってきます。本レポートでは、主要各社の取り組みや戦略を詳細に分析し、『今後の成長に向けて、どのようなアクションが必要なのか?』という問いに対して、解決の糸口となる情報を詰め込んでいます。これからのR&D活動における戦略的な指針を得るために、ぜひレポートをご活用いただき、競争優位性の構築にお役立ていただければと思います。
土日祝を除く3日間で試読も承っておりますので、まずはお気軽にご覧いただけますと嬉しいです。ご連絡、お待ちしています!
―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 化粧品企業のR&D戦略」レポートは絶賛発売中です。
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