リサーチャーに聞く!#147 『2025年 健康と栄養に関する意識・実態調査(第7弾)』調査のポイント

2025.10.21
  • リサーチャーインタビュー
  • Health & Food
リサーチャーに聞く!#147 『2025年 健康と栄養に関する意識・実態調査(第7弾)』調査のポイント

第147回は、2025年8月29日発刊の『2025年 健康と栄養に関する意識・実態調査(第7弾)』です!
20~70代男女の健康に対する考え方、健康のための取り組み、栄養の摂取状況、健康食品の利用実態などを調査。性別、性年齢層別に加えて、「健康オタクタイプ」「健康リテラシータイプ」「スポーツ重視タイプ」「安心安全タイプ」「価格重視タイプ」「なんとなくタイプ」の6つのクラスターでも分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの松井優太に調査のポイントをインタビューしました!

 

松井優太 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health & Food
松井優太

—Profile—

健康食品分野で市場調査・消費者調査を担当。
顧客一人一人に向き合い、課題を解決する最適なご提案ができるよう日々奮闘中。
休日は野球観戦や旅行などでリフレッシュ。

 


―今回、健康と栄養に関する調査を実施したとのことですが、なぜこの調査を行ったのでしょうか?

松井今回実施した「健康と栄養」に関する調査は、弊社が2019年より毎年継続して行っている定点調査で、今回が第7回目となります。本調査では、消費者の健康や栄養に対する意識や実態の変化を把握することを目的としており、調査時期も毎年7月下旬に固定することで、年ごとの変化を比較しやすくしています。
定点調査の特性上、設問や選択肢には大きな変更を加えていませんが、業界の動向や関心の高まり、またお客様からのご要望を踏まえ、毎年内容のブラッシュアップを行っています。今回の2025年版では、「プレミアムの価値」に関する設問を追加しており、これまでにない視点からの発見が得られる、興味深い内容となっています。

 

―なるほど、今回の調査で7回目の調査ということですが、変化したことや明らかになったことはありますか?

松井今回の調査では、健康食品の出現率にいくつかの興味深い変化が見られました。例えば、本調査の対象である健康食品「サプリメント」「プロテイン」「青汁」の利用率を2024年と比較すると、「サプリメント」が80.7%で1.4pt増、「プロテイン」が30.7%で1.0pt減、「青汁」が23.0%で2.8pt減となりました。
特に、「プロテイン」に注目すると、これまで5年連続で利用率が上昇していたにも関わらず、今回初めて前年比で減少に転じました。詳しく性年齢層別で前年と比較したところ、男性若年層では3pt増、女性若年層では5pt以上増加がみられた一方で、男性中年層は横ばい、男性高年層は2pt減、女性中高年層ではそれぞれ4pt減となっています。
このような増減の分かれ方については、あくまで仮説になりますが、「完全栄養食」の台頭が影響している可能性があり、プロテイン+αで栄養を効率よく摂取したいといったニーズが高まっているのではないかと考えています。
「完全栄養食」の利用率は年々増加しており、2025年の利用率は21.0%と、5人に1人が利用していることが明らかになりました。また、こちらも性年齢層別で見ると、すべての年齢層で増加傾向が見られて、男性中年層では10pt近く、女性中高年層では4pt以上の増加が確認されています。これらの結果から、消費者は「プロテイン」よりも「完全栄養食」に対する関心や効率的に栄養を摂取できる魅力が高まり、その結果プロテインの出現率が減少したのではないか、と考えております。

―なるほど、プロテインから完全栄養食に、とても面白いデータが揃っていますね。
次に今回の調査のここに注目して欲しい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。

松井注目していただきたいポイントは、今回新たに追加した「プレミアムの価値」に関する設問です。まず、設問追加の背景ですが、近年の消費者の購買行動において、商品選択時に重視される「価格」の優先度が減少傾向にあります。その一方で、製品・サービスに対する「付加価値」や「プレミアム性」が購買意思決定に与える影響を強めており、例として、プレミアムカロリミットやウェルエイジ プレミアムなどの高価格帯商品がヒットしていることがあるかと思います。そこで今回、「消費者が何に”お金を払う価値”を感じているのか」を明らかにするために、プレミアムに関する設問を新たに追加しました。
調査結果では、出現率が高かった項目として、「飲む回数・量が少ない」「成分の配合量がアップしている」「国内製造である」が上位にあがりました。特に弊社が注目しているのは3番目の「国内製造である」です。というのも、安全性に関する別設問においても、「国内の工場で生産している」が最も高い出現率を示し、前回調査から10pt以上の増加がみられました。この結果から、消費者の間で「安全」と「国内製造」の結びつきがより強まっていることが分かります。さらに、今までは「国内製造=安全」という価値観が、「国内製造=安全=プレミアム価値」へと進化しつつあるのではないかと考えています。つまり”国内製造だからこそ、お金を払う価値がある”という認識が広がっているのではないでしょうか。

 

―プレミアムの深堀はとても興味深い内容ですね!
最後に、健康と栄養の調査について、お客様からはどのような感想・評価をいただいているかをお聞かせください。

松井本調査レポートを活用いただいているお客様からは、ありがたいことに多くのご好評をいただいております。特に多く寄せられているのは、「自社が保有するデータとの比較材料、データベースとして活用しやすいです。」や「健康食品ユーザーを網羅的に把握できるため、絞り込んでサプリメントユーザーとプロテインユーザーの比較ができる点が嬉しいです。」などありがたいお言葉をいただいております。また、継続的にご購入いただいているお客様からは「時系列でデータが蓄積されていることで、傾向の把握だけでなく、仮説の幅が広がりとても役に立っています。」という評価もいただいております。このように、調査データは単なる数値の集まりではなく、戦略立案や商品開発、マーケティング施策の検討において実践的なヒントが得られるかと存じます。ぜひ、皆様にも最新のデータをご試読いただき、課題解決や企画立案にお役立ていただければ幸いです。

 

 

―本日は貴重なお話をありがとうございました!
さて、今回インタビューした「2025年 健康と栄養に関する意識・実態調査(第7弾)」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

 

『2025年 健康と栄養に関する意識・実態調査(第7弾)

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