リサーチャーに聞く!#127 『2025年 男性の化粧品の使用実態と商品ニーズ』調査のポイント

2025.06.27
  • リサーチャーインタビュー
  • Beauty & Cosmetics
リサーチャーに聞く!#127 『2025年 男性の化粧品の使用実態と商品ニーズ』調査のポイント

第127回は、2025年3月31日発刊の『2025年 男性の化粧品の使用実態と商品ニーズ』です!
男性の美容・化粧品に対する考え方や、スキンケアをメインとした化粧品の利用実態、化粧品以外の取り組み、化粧品全般に関する今後の要望などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの北口貴一に調査のポイントをインタビューしました!

 

北口貴一 プロフィール

リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Beauty & Cosmetics
主任 北口貴一

—Profile—

2017年の入社以降、医療用医薬品、Healthチームを経て2019年より化粧品チームに所属。現在では海外のマーケット調査や化粧品原料・OEMのコンサル業務なども担当している。
趣味はブーランジェリー・パティスリー巡り、マチナカ散歩、野球観戦(日本ハムファイターズ推し)。
MBTI診断(16パーソナリティ)は”主人公”タイプ。

 


―なぜ今回、男性の化粧品の使用実態に関する調査を行おうと思ったのですか?

北口一言でいうと、美容や化粧品に対する男性のリアルなニーズ・価値観について、まだまだその実態が明らかになっていないと考えたことが一番の理由です。

過去を振り返ると、身だしなみとして化粧品を使用する男性が増え、コロナ禍では自分の時間が持てるようになったことで自己表現としても使用され始めたことから、これまで以上に男性と化粧品との距離が縮まったように思います。市場規模でみても、メンズコスメ市場はこの10年で1.2倍以上に拡大するなど、男性にとって化粧品の存在感は年々高まってきているといえます。

ただその一方で、男性はどんな肌悩みを抱えていて、どのアイテムを使用しているのか、商品を選ぶポイントは何かなど、男性の化粧品の使用実態や商品ニーズに関するデータは、弊社含めてこれまでは断片的なのものしかなく、憶測やイメージで語られる部分も少なくなかったことから、信頼できるデータが不足している状況でした。

そこで今回は、男性を対象にした初の本格的な調査を実施することで、現代の男性たちの美容意識の現在地を明らかにし、これからの市場動向を考えるうえでの手がかりを提供したいと考えました。

 

―たしかに、言われてみると男性の美容意識や化粧品ニーズについては、まだまだわからないことが多いように感じます。
実際に調査を行ってみて、結果は想定通りだったのでしょうか?

北口まずそもそも、化粧品を使用している男性はどれくらいの割合いるかというところで、事前調査で「スキンケア化粧品を自身の意思で選んで購入・使用している20~60代の男性」を抽出しているのですが、年代別では概して若年層になるほど使用率が高くなるということは想定通りでした。
ただ40代で4割強、50代でも4割弱の男性がスキンケアを自身の意思で選んで購入・使用していることがわかり、想定以上に中年層世代にもスキンケア習慣が浸透していることに驚きました。

次に、現在の使用アイテムをみると洗顔料の使用率が最も高く、以下化粧水、乳液などと続くのは予想通りの結果でした。ただこちらも年代別でみると、20代と60代の間で洗顔料は30pt、化粧水では40pt近い差が生じており、予想以上に年代による差がみられました。
この背景としては、中高年層を中心に、まだまだ自分にとって必要なアイテムや使い方がわからない男性が多いことがあげられ、「スキンケア全般に関する悩み」を尋ねた設問でもこうした悩みが上位に挙がっておりました。

 

―なるほど。化粧習慣が根付きつつあるなかでも、まだまだ化粧品について使い方がわからない男性は多くいらっしゃるんですね。逆にいうと市場の潜在性という意味では魅力的かもしれませんね。
このほかに気になったポイントはありますか?

北口本調査では、「自身の肌に対する意識」を尋ねているのですが、そのなかで特に意外だったのが、自身の肌を敏感だと感じている男性が予想以上に多かったことです。

具体的には、全体では52.3%の男性が自身の肌を敏感だと感じているとの結果が出ましたが、弊社が毎年実施している女性の美容意識・実態に関する定点調査「2024年 女性の美容に関する意識・実態調査」によると、女性は54.4%が敏感だと思っているとの結果が出ており、男性と女性ではわずか2pt程度の差しかないことには驚きました。
といいますのも、男性は女性に比べて自身の肌への意識が低いうえ、年代にもよりますが脂性肌気味である印象があったことや、これまで各社から敏感肌ブランドのメンズラインが発売されていますが、苦戦するブランドも多かったことから、男性と女性ではもっと大きな差が生じると思っていたからです。

この調査結果から、男性向けの化粧品開発において、”自身の肌を敏感に感じるかどうか”を軸にすることは、重要なポイントのひとつになることがわかりました。

 

―こうした結果は商品開発にも重要なデータとなりますね!では、最後に一言お願いします。

北口今では男性の化粧品使用が一般的になりつつありますが、今回の調査では、世間一般に言われている男性の美容意識や化粧品ニーズについて、想定外の回答結果も多く見られました。
今後男性向け化粧品市場への事業参入、事業拡大を検討されている企業さまにとって、今後の戦略を考えるうえで基盤にしていただけるレポートとなっておりますので、少しでもご興味やご関心がございましたら、お気軽にオンラインミーティングにてご試読いただけますと幸いです。

 

―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 男性の化粧品の使用実態と商品ニーズ」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

 

『2025年 男性の化粧品の使用実態と商品ニーズ

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