リサーチャーに聞く!#133 『2024年 妊婦・授乳期の栄養ニーズ(第2弾)』調査のポイント

2025.08.27
  • リサーチャーインタビュー
  • Health & Food
リサーチャーに聞く!#133 『2024年 妊婦・授乳期の栄養ニーズ(第2弾)』調査のポイント

第133回は、2024年10月4日発刊の『2024年 妊婦・授乳期の栄養ニーズ(第2弾)』です!
妊娠中・授乳期女性の心身や栄養に対する意識の変化などに加え、サプリメントの利用に対する意識、マタニティサプリメントの摂取実態、今後の栄養摂取への考え方および栄養サポート食品のニーズなどを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの福井淑乃に調査のポイントをインタビューしました!

 

福井淑乃 プロフィール

リサ・リューション事業部 ソリューションググループ Health & Food
データアナリスト 福井淑乃

—Profile—

入社当時は加工食品分野で市場調査や独自調査を担当。
2019年にヘルスケア領域の担当となってからは、消費者調査を専門に調査を行っている。
最近はミラーレス一眼カメラを購入し、旅行先での撮影や周辺機材の収集を楽しんでいる。

 


―前回は2019年発刊で4年ぶりのリニューアル発刊ですね。
通常、隔年発刊の消費者調査レポートですが、4年のブランク理由はなんでしょうか。

福井今回は通常とは異なり、妊婦さんが調査対象です。
ターゲット顧客がニッチということ、同時に商品の改廃が少ない市場であることの2点からブランクになりましたが、今回お客さまからご要望をいただき企画・実査しました。

 

―お客さまのご要望から企画することが多いと思いますが、どのように相談がくるのでしょうか。

福井今回でいうと、レポートに興味があるが、年度が古いし、新しい設問も聞きたい、シークレット項目も入れたい、というご相談をいただきました。調査目的は、新商品開発のために妊活~産後までを網羅的に把握したい、特に妊娠中期・後期のデータが欲しい、ということでした。
通常アドホック調査をすると、150万ほどかかるのですが、TPC消費者調査はマルチクライアント調査ですので、シークレット項目を入れても50万程度で実査が可能なので喜んでいただけました。

―およそ1/3で実査が可能なんですね。それはお得感ありますね! 

福井そうですね!ほかのお客さまにも好評の理由のひとつですね。

 

―4年ぶりに調査をして、ファインディングスはあったのでしょうか。

福井大きく2点ありました。
ひとつ目は、子どものために栄養を摂取していた母親が、自分のための栄養を摂る人が増えたことです。例えば、ストレスや睡眠など自身のケアニーズの高まりがみられました。
ふたつ目は、授乳期以降も自分のために健康食品で栄養を摂りたいとする人が10.8ポイント増と大幅に増えました。この4年でここまで大きくデータとして変化が読み取れるとはおもってませんでしたので、驚きと同時に実査をしてよかったなと思いました。
子どもはもちろん、自分のケア意向の高まりはお客さまの戦略立案に直結する重要なデータだとおもいます。

 

―隔年ではなく、4年のブランクが奏功したのでしょうね。要望をいただいたお客さまにも感謝です!
ほかに、興味深い点はありましたか? 

福井妊活の実施率が83.2%で前回よりアップしました。自然に子どもを授かるのではなく、妊活はマストになっていますね。また、「自分の栄養状態で子どもが授かれるか不安」と回答した女性は53.4%にのぼります。さらに、働くママが7割を占めるなかで、「栄養豊富な料理が自分で作れず罪悪感がある」と回答した女性は48.2%を占めました。つまり、どうしたら栄養が摂れるのかなど、栄養に縛られている女性が多いこともデータとして浮き彫りとなりました。
こうした女性の悩みを解決するマーケットの可能性やメーカーがやるべきことはまだまだあるのかなとおもいます。

 

―そうだとはおもうのですが、ターゲットとしてはかなりニッチではないのでしょうか。

福井今回、以下のような設問を聴取しました。
「妊娠や授乳期のための商品を摂り始めたことによって、その企業やブランドに対する愛着度は高まりましたか?」
その結果、「高まった」と回答した女性は68.4%にのぼりました。また、授乳期以降も自分のために健康食品を摂りたい女性が増えていることから、マタニティ期だけでなく、女性の健康対策ニーズも取り込める可能性があると考えています。 

 

―そうなんですね!興味深いデータですね。
今回クラスター分析はどうだったのでしょうか。

福井今回クラスター分析は7タイプとなりました。
最大のボリュームゾーンである「スタンダードママ」や、育児の理想やこだわりが強い「ストイックママ」、さらに、繊細かつ心配性の性格で、子どもへの栄養が不安な「センシティブママ」、フルタイムで年収が高めで経済的に余裕がある「キャリアママ」など個性的なクラスターのラインアップとなりました。

 

―今回も絶妙のクラスターネーミングですね。

福井そうですね。お客さまにもイメージがつきやすいとほめられることが多いです。

 

―有望ターゲットはやはり「キャリアママ」でしょうか。

福井「キャリアママ」は40代が多く経済的な余裕があり、次の妊娠も希望しています。年代が高めということもあり、妊活率は95%に上ります。また、妊活サプリに1万円以上使っており、夫もいっしょにサプリを摂っています。
料理が苦手だったり、野菜の摂取が減っていることから、サプリメントの摂取には賛成です。
以上のことからも有望ターゲットなのかなとはおもいます。弊社のクラスター分析では、性格や子どもへの希望などもわかります。「キャリアママ」の性格は外交的で「仕事をする自分」や「ママ友との付き合い」を大事にし、子どもには「グローバルに活躍してほしい」と願っています。

 

―今回は、栄養がメインの調査だとおもうのですが、なぜ性格まで把握する必要があるのでしょうか。

福井ユーザーインサイトを把握するためですね。
インサイトとは、消費者自身の意識を超えた深層心理や行動の理由を指すことが多いです。表面的な情報だけでなく、隠れた動機やニーズを理解する上で重要と考えています。

クラスター分析は前述以外に、「コスパママ」、「ベテランママ」、「イマドキママ」などがいます。そのなかでもお客さまから説明希望があったのは「イマドキママ」ですね。新しい価値観を持つ同タイプは、20代が約半数を占め、専業主婦が多いです。「子育て中も自分の時間が必要」、「ママになってもキレイでいたい」、「マタニティ関連の情報源はInstagram」、「子どもとは親友のように近い関係でありたい」などイマドキの価値観を持つ若い世代が中心です。栄養については、サプリメントへの抵抗が少なく、妊娠中、産後もサプリでの栄養摂取に積極的です。また、「妊娠周期ごとに必要な成分は異なる」と考えています。

 

―「キャリアママ」と「イマドキママ」でもまったく違いますね。。。
やはりクラスター分析でユーザー理解を深めるのは大事だとおもいました。

福井ほんとうにそうですね。

分析項目としては、妊娠を希望する女性が実施していること、妊娠出産に伴うつらい症状、栄養に対する意識の変化、栄養の情報源、現在摂取している成分、妊娠・出産のステージごとに必要な栄養の理解度などに加えて、マタニティ期だけでなく、出産後も継続的なユーザーとして囲い込むための提案なども分析しております。

TPC消費者調査レポートは、ご予約時にお客さまのご要望を反映し「メーカーのご担当者さまが知りたい」設計になっています。今回は、計42問の項目を用意しております。無駄な設問は一切なく、企画・開発・販促まで一気通貫した戦略立案に活用いただけます。

 

―一気通貫!それは忙しいお客さまにもいいですね。
レポートの試読方法について教えてください。

福井TPCでは、30分~1時間程度でレポート全ページをご試読いただけ、さらに、リサーチャーとのディスカッションにより、「課題解決が早い」、「クラスタの理解が深まった」と好評のオンラインミーティングを実施しています。
日時など気軽にご相談いただけますとうれしいです。
お待ちしております!

 

―最後に、おトクなTPC消費者調査レポートの無料オプションのお知らせをお願いします。

福井①出典名の記載で社内外データとして活用いただけます。活用方法としては、リリースや、HPでの補足データとして、さらに、展示会での説得材料として、など様々です。まだ、データを存分に活用しきれていないお客さまがいらっしゃるかもしれません。今からでもぜひご活用くださいませ。
続いて、②オンライン報告会の開催です。お客さまが膨大なレポートを読み込む時間がない中でも、リサーチャーとディスカッションしながらユーザー理解が深められるメリットがあります。
最後に、③ご要望のクロスデータのご提供です。仮説検証のためのデータ把握ができ行動に即移せると好評です。

 

―ありがとうございます。有料オプションも人気と聞いていますが、どのような内容なのでしょうか。

福井より有益な戦略立案のために、お客さまのユーザー解像度をアップしたいというご要望は年々アップしているとおもいます。TPC消費者調査では、ペルソナ分析やカスタマージャーニー分析、さらに、競合ユーザー分析などを承っております。ペルソナやカスタマージャーニーは、特定のクラスターにフォーカスし分析します。お客さまからは「解像度がアップした」、「理解が深まった」との声をいただいております。

―お読みのみなさま、ぜひオンラインミーティングにて、ディスカッションすることで課題解決の一歩になること間違いなしです。
ぜひお問い合わせいただけますとうれしいです。

本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 妊婦・授乳期の栄養ニーズ(第2弾)」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

 

『2024年 妊婦・授乳期の栄養ニーズ(第2弾)

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