美容・化粧品
第140回は、2025年7月4日発刊の『2025年 世界のペプチド医薬品市場・開発動向』です!
ペプチド医薬品市場に焦点を当て、製薬企業における製品展開、売上高、研究開発、提携状況を分析。スタートアップ・ベンチャーについては、研究開発と提携の動向を中心に多角的に調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの安田俊、左海亜衣子に調査のポイントをインタビューしました!
安田俊 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Pharmaceuticals & Medical
主任 安田俊
—Profile—
2019年の入社後、ケミカル分野で主に市場調査を担当。
現在は、医薬品領域において治療用放射性医薬品や抗体医薬品、再生医療などの調査を行ったほか、今年は製薬企業の中国戦略、製薬企業のR&D戦略に関する調査を実施している。
左海亜衣子 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Pharmaceuticals & Medical
左海亜衣子
—Profile—
入社以前は、ECサイト運営やWeb制作のディレクション業務に従事。
入社後は生産財チームでメディカル分野の調査を担当。
最近コーヒーにハマり、豆の種類や産地を選ぶのが密かな楽しみ。お財布とは常にミーティング中。
―なぜ、今回ペプチド医薬品に関する調査を実施しようとしたのですか?
安田:近年、ペプチド医薬品は低分子医薬品と抗体医薬品の“中間”に位置するモダリティとして、世界的に市場規模を大きく拡大させています。一方で、経口製剤化の難しさや適応疾患の範囲の狭さなど、依然として解決すべき課題も少なくありません。こうした「拡大」と「課題」が同時に進行する状況下において、企業が次の一手を検討する際の指針となることを目指し、本調査を実施しました。
今回の調査では、前回の2023年度版から構成を大きく変更し、製薬企業だけでなくスタートアップやベンチャーにもスポットを当てました。市場データにとどまらず、各社の開発戦略や提携動向まで踏み込み、詳細な分析を行いました。
―なるほど。ペプチド医薬品市場が大幅に拡大していると伺いましたが、改めて現在の市場動向について教えていただけますか?
左海:2024年度の世界のペプチド医薬品市場は、2022年度に比べて2倍以上と大幅な成長を遂げています。特に糖尿病向けのGLP-1受容体作動薬が成長をけん引していること、適応が肥満症にも広がったことでブロックバスター化が進んでいます。2025年度も市場拡大を主導すると見込んでおり、市場は引き続き拡大傾向を維持すると考えています。
―市場は非常に勢いがあるのですね。
しかし、成長の裏で課題もあると伺いました。その課題に対して、どのような動きがあるのでしょうか?
安田:「経口製剤化の難しさ」については、ペプチドの体内での安定性を確保することが課題となっています。複数の企業が、独自の創薬プラットフォームや分子修飾技術を活用し、有望な薬の候補分子をより効果的かつ安定的に機能させるための研究開発に取り組んでいます。
「適応疾患の範囲の狭さ」については、多くの大手製薬企業がベンチャー企業の独自技術や創薬プラットフォームを積極的に取り入れ、技術連携や共同開発を推進していくことで対応しています。また、スタートアップは独自の創薬プラットフォームを駆使して新規ペプチド分子の探索・開発をリードし、大手製薬企業は大規模な製造インフラとライフサイクルマネジメントによる適応拡大や販売地域の拡大を戦略的に展開しています。双方が互いの強みを補完し合うことで、臨床開発や商業化の加速を実現していると考えられます。
―なるほど。調査を通じて、今後注目すべき技術や領域はありましたか?
左海:糖尿病や肥満症などの内分泌・代謝領域では、トリプルアゴニストといった複数の作用機序を組み合わせた新規ペプチドの研究開発が進んでいます。これにより、糖尿病や肥満症に対する治療効果のさらなる向上が期待され、市場競争の一層の活発化と拡大が予想されます。
加えて、がんや希少疾患領域を対象とした開発も増えています。代表的なものは、ペプチド薬物複合体(PDC)やペプチド放射性核種複合体(RI-PDC)などの次世代治療法の開発です。これらの技術は、今後のペプチド医薬品市場の拡大を後押しすると予測しています。
―今後のペプチド医薬品市場や開発動向にも注目したいですね。最後にこの資料に興味を持たれている方に一言お願いします。
安田:ペプチド医薬品市場は、肥満や糖尿病を中心とした内分泌・代謝疾患領域に加え、その周辺領域やがん、希少疾患領域でも開発が進展しています。また、現在は市場の拡大と技術革新が同時に進行する非常に注目すべき段階にあると考えています。本レポートが、市場全体の動向を把握し、今後の戦略検討の一助となれば幸いです。
調査レポートは3日間の無料試読サービスを実施しております。ご関心をお持ちの方は、ぜひこの機会にご利用下さい。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 世界のペプチド医薬品市場・開発動向」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。
「TPCビブリオテック」では自主企画調査レポートが購入可能です。
豊富な情報量で、様々なニーズに対応します。
サービスに関するご相談やお見積りを承っております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
[ 24時間受付中 ]
[ 9:00-17:00 土日祝除く ]