美容・化粧品
第144回は、2025年8月19日発刊の『2025年 美白スキンケアの市場分析調査』です!
今日の化粧品のなかでも特に関心の高まる美白化粧品(スキンケア)に焦点を当て、その市場動向をブランド別、種類別、成分別、価格帯別などさまざまな角度から徹底分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの中川美貴子に調査のポイントをインタビューしました!
中川美貴子 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty & Cosmetics
中川美貴子
—Profile—
2023年の入社以来、主に化粧品分野のマーケット調査を担当。
これまでに、美白スキンケアや通販化粧品市場の調査、美白化粧品に関する消費者調査に携わっている。
昨年は日本化粧品検定1級を取得し、今年はコスメコンシェルジュの資格を取得している。
趣味は音楽鑑賞と推し活で、さまざまなアーティストのライブに足を運んでいる。
―今回の市場調査を実施された背景について教えてください。
中川:今年2月に発刊した消費者調査レポート『美白化粧品の使用実態と今後のニーズ』では、美白有効成分ではない『レチノール』を美白スキンケアに取り入れている傾向が見受けられ、非常に意外な発見となりました。こうした結果を受け、従来の枠組みとは異なる新たな潮流が生まれつつあるのではないかと感じ、市場全体を正確に把握するために今回の調査を実施しました。
―そうした背景があったのですね。実際に調査を行って、どのような発見がありましたか?
中川:調査を通じて明らかになったのは、成分重視がさらに広がり、新たな局面に入っているということです。韓国コスメブームや美容医療ニーズの高まりを背景に、美白有効成分に限らず『レチノール』『CICA』『グルタチオン』といったサポート成分にも注目が集まっています。各社はこうした成分を前面に打ち出し、商品の差別化につなげています。
例えば、「アクアレーベル」は独自の美白有効成分『4MSK』に『CICA』を組み合わせ、“本気の成分アプローチ”を訴求しています。また「Yunth」は“生VC”や“使用期限30秒”といったキーワードで、『ビタミンC』のフレッシュさと即効性を強調しており、いずれも“特別な成分”を印象づけ、独自性や鮮度を訴求することで市場で存在感を高めています。
さらに、商品体験にエンタメ性を取り入れる動きも特徴的です。「ナンバーズイン 5番 白玉グルタチオンCふりかけマスク」は黄色いシートマスクで『ビタミンC』を訴求しつつ、SNSで映えるビジュアルや、キャッチーなネーミングが人気の理由となっています。
このように、サポート成分への注目やエンタメ性が、美白スキンケア市場における新たな潮流を形成しているといえます。
―そのような新しい流れが生まれてきているのですね。他にどのような商品が注目されているのですか?
中川:最近は美白やシワ改善といったスキンケア成分を組み込んだ高機能UVケアアイテムが増えています。きっかけとなったのは、「オルビス」の「リンクルブライトUVプロテクター」のヒットです。背景には、夏の長期化や酷暑による紫外線意識の高まり、そしてシミやシワを予防したいというニーズの拡大があります。つまり「紫外線対策をしながらスキンケアもしたい」という生活者の思いに応える商品が注目されている、といえます。
さらに、美白ケアにとどまらず、毛穴ケアや肌荒れケアなどを掛け合わせた複合処方も定着しつつあります。その好例が「雪肌精」です。独自成分『W-グリチルレチン酸ステアリル(グリチルレチン酸ステアリルSW)』を新たに配合し、美白と肌荒れ防止の“W効能”を打ち出しています。外出機会の増加や夏の長期化といった環境の変化、さらには複合的な肌悩みに応えたいという生活者ニーズをとらえたことが、売上拡大につながっています。
そしてもうひとつ注目したいのが、“立体的な美白”という新しいコンセプトです。従来はシミをなくす「点」、肌全体の明るさを高める「面」といった発想が主流でしたが、そこに「ツヤ・ハリ・血色感」といった立体的な肌印象の向上をめざすアプローチが加わってきています。「肌の構造・質感・光感」へと視点が広がり、美白という概念がさらに進化していることがうかがえます。
―美白の概念に変化がみられるのですね。今回の調査のここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。
中川:今回のレポートでぜひご注目いただきたいのは、市場データに加えて消費者調査データを組み合わせている点です。これまでのレポートでは、一般女性を対象にした「女性の美容」に関するデータを掲載していましたが、今回は2025年2月に発刊した新テーマ『美白化粧品の使用実態と今後のニーズ』のデータを一部抜粋し掲載しています。この調査は美白スキンケアユーザーに対象を絞り、使用実態やニーズを深掘りしているのが特徴です。
市場データによって全体の動向を把握すると同時に、消費者データを通じて生活者のリアルなニーズを明らかにすることで、より具体的かつ説得力のあるブランド戦略や市場分析にご活用いただけるのではないかと考えています。
―実務に直結する情報が盛り込まれているんですね!最後になりますが、読者の皆様にメッセージをお願いします。
中川:夏の長期化や酷暑など外部環境の変化により、今後も美白意識はさらに高まることが予想されます。本レポートでは、現在の市場動向や消費者意識、さらに今後の展望を整理していますので、事業戦略や商品企画にぜひお役立てください。
また、弊社のレポートは無料で試読いただけるサービスもご用意しております。少しでもご興味や関心をお持ちの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 美白スキンケアの市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。
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