美容・化粧品
第182回は、2026年5月22日発刊の『2026年 次世代型抗体医薬品の研究開発動向』です!
抗体薬物複合体(ADC)編とマルチスペシフィック抗体/バイスペシフィック抗体(MsAb/BsAb)編に分けて調査。各編では、市場概況、製品展開、研究開発、抗体技術、提携&M&A、今後の展開について分析することで、現在の研究開発動向を把握するとともに、将来の市場環境や研究開発の方向性を明らかにすることを目的とした当レポートについて、弊社リサーチャーの安田俊、左海亜衣子に調査のポイントをインタビューしました!
安田俊 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Pharmaceuticals & Medical
主任 安田俊
—Profile—
2019年の入社後、ケミカル分野で主に市場調査を担当。
現在は、医薬品領域において、抗体医薬品、ペプチド医薬品、再生医療、放射性医薬品など、多様なモダリティを対象に、市場動向や研究開発動向、企業動向に関する調査に携わっている。
左海亜衣子 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Pharmaceuticals & Medical
左海亜衣子
—Profile—
入社以前は、ECサイト運営やWeb制作のディレクション業務に従事。
入社後は生産財チームでメディカル分野の調査を担当。
最近コーヒーにハマり、豆の種類や産地を選ぶのが密かな楽しみ。お財布とは常にミーティング中。
―なぜ、今回抗体薬物複合体(ADC)、マルチスペシフィック抗体/バイスペシフィック抗体(MsAb/BsAb)に関する調査を実施しようとしたのですか?
安田:近年、難治性疾患や複雑な免疫制御を要する疾患に対して、さらなる治療効果の向上や新たな作用機序を有する治療法へのニーズが高まっています。こうした背景のもと、抗体薬物複合体(ADC)やマルチスペシフィック抗体/バイスペシフィック抗体(MsAb/BsAb)といった、機能を高度化した「次世代型抗体医薬品」の開発が急速に進展しています。
そこで本調査では、次世代型抗体医薬品市場を牽引するADCおよびMsAb/BsAbに焦点を当て、研究開発動向、市場動向、提携・M&A戦略、ならびに主要企業の取り組みを整理・分析することで、今後の研究開発や事業戦略立案に資する情報を提供することを目的として実施しました。
―今回の調査で、何か新たな発見はありましたか?
左海:今回の調査を通じて明らかになった点としては、大きく市場拡大と技術革新の2点が挙げられます。
まずADCでは、「Enhertu」や「Padcev」などの既上市製品が市場拡大を牽引している一方で、新薬開発は固形がん領域を中心に活発化していることが分かりました。また、バイスペシフィックADCやデュアルペイロードADCといった次世代ADCの開発も進展しており、単なる適応拡大だけでなく、モダリティ自体の高度化が進んでいることが明らかになりました。
一方、MsAb/BsAbでは、「Hemlibra」や「Vabysmo」などの既上市製品に加え、T細胞エンゲージャー(TCE)の販売拡大が市場成長を牽引していることが分かりました。開発面では、がん領域を中心としながらも、免疫・炎症領域への適応拡大が進んでおり、CD28を標的とする次世代TCEやトリスペシフィック抗体など、より高度な抗体フォーマットの開発も加速しています。

―次世代型抗体医薬品における現在の課題は何だと考えていますか?
安田:次世代型抗体医薬品における現在の課題としては、ADCとMsAb/BsAbのいずれにおいても、有効性と安全性の両立に加え、製造技術の高度化や商業化を見据えた生産性・コストの確保が挙げられます。
まず、ADCでは、標的選択性・特異性を高めることで正常組織への毒性を低減しつつ、高い有効性を実現することが重要な課題となっています。また、複雑な製造工程に起因する製造コストの高さも課題の一つです。こうした課題に対して、各社は抗体の高機能化に加え、ペイロードやリンカーの改良を通じて、薬効および安全性の向上に取り組んでいます。
一方、MsAb/BsAbでは、標的選択性・特異性の向上による副作用リスクの低減に加え、複雑な分子構造に起因する製造適合性や品質の均一性の確保が重要な課題となっています。これに対して、各社は標的選択性・特異性の高度化に加え、IgG様構造を活用した製造適合性の向上など、有効性・安全性と商業化の両立を目指した技術開発を進めています。
―各社の技術的な取り組みが活発化していることが分かりました。今回の調査では、技術面以外に注目すべきポイントはありましたか?
左海:技術開発に加えて、事業戦略の面でも大きな変化がみられました。特に、中国企業が有するADCやBsAbの開発力は近年急速に向上しており、大型ライセンス契約の増加につながっています。
ADC領域では、リンカー/ペイロード技術やバイスペシフィック化技術など、ADCの競争力を高める基盤技術への投資が活発化しています。また、中国企業を対象とした大型ライセンス契約も増加しており、優れた技術や開発パイプラインを有する中国企業の存在感が高まっていることが明らかになりました。
一方、MsAb/BsAb領域では、T細胞エンゲージャー(TCE)やBsADCなどの高機能モダリティを対象とした大型提携が増加しています。提携の目的も、単一パイプラインの導入にとどまらず、将来的なモダリティ展開を見据えたプラットフォーム技術の獲得へと広がっています。また、ADC領域と同様に、中国バイオ企業を導出元とする大型提携が増加しており、グローバル市場における中国企業のプレゼンスが一段と高まっていることが示されました。

―なるほど、今後の次世代型抗体医薬品の開発動向にも注目したいですね。最後にこの資料に興味を持たれている方に一言お願いします。
安田:次世代型抗体医薬品は、従来の単一標的抗体医薬品では実現が難しかった治療効果の向上や新たな作用機序の創出を目的として進化してきたモダリティ群であり、抗体工学や分子設計技術の進展を背景に、研究開発および実用化が急速に進んでいます。また今後は、がん領域のみならず、免疫・炎症領域への展開も進んでいくことが予想されます。
本レポートでは、市場動向、研究開発動向、技術トレンド、提携・M&A動向を体系的に整理しておりますので、今後の研究開発戦略や事業戦略を検討するうえでの一助となれば幸いです。
なお、本レポートでは3日間の無料試読サービスをご用意しております。ご関心をお持ちの方は、ぜひこの機会にご活用いただければ幸いです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2026年 次世代型抗体医薬品の研究開発動向」レポートは絶賛発売中です。
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