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第183回は、2026年10月9日発刊の『2026年 ケミカルメーカーの自動車事業戦略調査』です!
国内外の主要ケミカルメーカー20社を対象に、自動車向け製品売上高、製品ポートフォリオ、生産・開発体制、生産・提携動向、研究開発・知財および今後の事業戦略を総合的に分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの中津啓揚に調査のポイントをインタビューしました!
中津啓揚 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Chemical & Life Sciences
中津啓揚
—Profile—
入社前まで、名古屋の自動車調査会社や東京のビジネス情報コンサルティング会社に勤務。
TPCに入社後は、生産財チームでケミカル分野の調査を担当している。
―なぜ、今回この調査を実施しようとしたのですか?
中津:自動車産業では、EVをはじめとする電動化に加え、SDV(Software Defined Vehicle)化やサステナビリティ対応が進み、自動車に求められる機能や材料が大きく変化しています。これに伴い、ケミカルメーカーにとっても、従来のエンジン・車体向け材料だけでなく、電池・熱マネジメント、高機能樹脂・複合材料、車載電子・センシング、再生・循環材料など、新たな事業機会が生まれています。
一方、EV市場は地域や自動車メーカーによって成長速度に差があり、電動化の進展を見据えた投資計画の見直しもみられます。ケミカルメーカー各社にとっては、単にEV向け製品を増やすだけでなく、どの用途に経営資源を投入し、どのような技術や製品で競争優位性を確保するかが重要になっています。
そこで今回は、国内外の主要ケミカルメーカー20社を対象に、自動車向け事業の売上高や製品展開、生産・開発体制、提携、研究開発・知財、今後の事業戦略を幅広く調査しました。市場の変化と各社の取り組みを横断的に比較することで、自動車向けケミカル事業の競争構造と今後の成長領域を把握することを目的としています。
―今回の調査で、特に注目すべき発見はありましたか?
中津:まず、20社の自動車向け製品売上高を比較すると、2022年の約8兆1,686億円から2023年には約8兆1,211億円へ減少した後、2026年には約8兆6,965億円まで拡大する見込みです。ただし、各社の動きは一様ではありません。事業買収によって自動車向け売上高を大きく伸ばした企業がある一方、事業売却や需要環境の変化などにより縮小する企業もあり、各社の事業構成や経営判断によって差が生じています。
また、製品の用途別構成をみると、パワートレイン関連の構成比が低下する一方、バッテリー関連の比重が高まっています。電動化による変化は電池材料だけにとどまらず、絶縁・放熱などの熱マネジメント材料や、高機能樹脂、複合材料、車載電子材料などにも及んでいます。各社は既存の材料技術を活用しながら、こうした新しい需要領域への製品展開を進めています。
さらに、製品ポートフォリオだけでなく、生産拠点の整備、企業間提携、研究開発テーマ、特許出願などを併せて分析することで、各社がどの分野に注力し、どのような技術基盤を持っているかを比較できるようにしました。売上高の大小だけでは見えにくい、各社の成長領域や競争上の違いを捉えられる点が、今回の調査の重要な発見です。
―自動車事業を展開するケミカルメーカーの現在の課題は何だと考えていますか?
中津:大きな課題は、変化する材料需要を捉えながら、開発投資と収益性を両立させることだと考えています。EV向け材料には成長機会がある一方、EVとHEVなどのパワートレインが併存し、地域や自動車メーカーによって電動化の進み方も異なります。そのため、特定の技術や用途に偏るのではなく、顧客や地域ごとの需要を見極め、製品ポートフォリオを柔軟に組み立てることが重要です。
また、車載電子・センシング分野では、低誘電材料、半導体パッケージ材料、電磁波対策材料、放熱材料など、従来の自動車材料とは異なる技術領域への対応が求められます。こうした分野では、自社の既存技術を活用するだけでなく、顧客や部品メーカーとの共同開発、外部企業との提携などを通じて、用途に必要な性能や品質を実現することも重要になります。
さらに、再生材やバイオ由来材料の採用、使用済み車両・部品からの資源回収といった循環対応も、今後の事業戦略を考える上で欠かせません。ケミカルメーカーには、個々の材料の性能向上にとどまらず、軽量化、耐熱、絶縁、放熱、接着など複数の機能を組み合わせ、部材やシステム単位で顧客の課題を解決する提案力も求められると考えています。
―今回の調査のここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。
中津:今回のレポートでは、国内メーカー10社、欧米メーカー10社の計20社を対象に、自動車向け製品売上高を推計・比較するとともに、材料別・用途別・地域別の構成や、各社の製品ポートフォリオを整理しています。自社の自動車向け事業が競合他社と比べてどの位置にあるのか、どの材料・用途が成長領域となっているのかを把握する上で、参考にしていただける内容です。
また、生産拠点や設備投資、企業間提携、研究開発・特許出願なども分析しているので、売上高だけではわからない各社の注力分野や技術開発の方向性も比較できます。例えば、自動車向け事業の拡大を目指す場合には、競合メーカーの製品展開や技術開発の動向を把握し、自社技術の新たな用途開拓や提携先の検討に活用できます。
本レポートは、個別企業の動向を把握するだけでなく、20社を横断して比較することで、自動車向けケミカル事業全体の変化と各社の違いを捉えられる点が特徴です。競合企業や取引先企業の動向を把握したい方はもちろん、自社の製品戦略、研究開発、事業ポートフォリオの見直しを検討されている方にも、ぜひご活用いただきたいと考えています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2026年 ケミカルメーカーの自動車事業戦略調査」レポートは絶賛発売中です。
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