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2022.07.12

リサーチャーに聞く!#4 『2022年メンズコスメの市場分析調査』調査のポイント

PRESS

BEAUTY

第4回は2022年4月28日に発刊した『2022年メンズコスメの市場分析調査』です!メンズメイクの登場やライフスタイルの変化など、取り巻く環境に大きな変化があったメンズコスメ市場について、弊社リサーチャーの福原裕子と松川実生に調査のポイントについてインタビューしました

 

 

福原 裕子 プロフィール

 

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty

主任 福原 裕子

—Profile—
2017年の入社当時から化粧品分野でマーケット調査を担当。
また、近年はヘアケアに関する消費者調査も担当しているほか、コンサルティング業務にも携わっている。
最近はお客様からご相談をいただくことも多いため、
改めて美容知識を習得したいと思い化粧品検定1級を取得した。

 

松川 実生 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty

松川実生

—Profile—
2021年入社後、化粧品分野で主にマーケット調査を担当している。
これまで通販化粧品、メンズコスメに関するマーケット調査を行った。
日本化粧品検定2級取得。
現在は日本化粧品検定1級、コスメコンシェルジュ資格取得を目指し勉強している。

 


―なぜ、今回メンズコスメに関する調査を実施したのですか?

松川メンズコスメ市場は、調査を開始した2007年からの10数年間、これといって大きな変化は見られない市場でした。しかし、2020年以降、新型コロナウイルスの影響で化粧品市場全体が苦戦を強いられる中でも、メンズコスメ市場は成長を続けてきました。
これは、コロナ禍でのマスクの着用やリモートワークによるライフスタイルの変化が大きく関わっていることがわかりましたが、このほかにも、ここ数年でメンズコスメを取り巻く環境に大きな変化があったのではないかと考えました。そのひとつがメンズメイクの登場です。もうひとつがD2C系ブランドが多数登場したことです。このようなコロナ禍以降のメンズコスメの動向と今後を追うべく、調査を開始しました。

 

―そうなのですね。今回の調査で、ほかにどんな発見や変化がありましたか?

松川大きく分けると2つの観点で変化がありました。
1つ目はブランドの価値訴求の変化です。以前は男性特有の薄毛ケア、においケアといった、悩みを解決することを前面に押し出すブランドが多かったのですが、近年は悩み解決に加え、自分らしさやケアする楽しさなど、男性の自己実現を訴求したブランドが増えています。また、“ジェンダーレス”といったワードや自分の思う“なりたい像”を目指すことを謳うブランドも増えましたね。とくにZ世代の男性は“多様性”や“自己表現”といった価値への感度が高いので、スキンケアやメイクをすることで肯定感を見出したり、人生を豊かにするといったZ世代の思考に、ブランドの価値がうまくマッチしていると感じました。

2つ目は消費者の意識の変化です。ライフスタイルの変化で肌ケアへの意識が高まったことに加え、“多様性”を大切にする社会的背景から、メイク=女性のするものという固定観念の脱却は、ここ数年で大きく進んだのではないかと感じています。男性のコスメに対する意識の変化が今後のメンズコスメ市場拡大に大きく寄与するのではないかと考えています。

このように、ブランドの変化、消費者の意識の変化の両方がかけ合わさった今がまさに、コロナ禍以降のメンズコスメの成長基盤が整い始めた年なのではないかと思います。

 

 

―男性の意識とブランドの変化、この両方が市場の成長につながっているということですね!そんなメンズコスメ市場ですが、現在どのような商品が注目されているのですか?

福原やはり注目度が高いのはメイクアップ商品ですね。近年は資生堂の「ウーノ フェイスカラークリエイター」などのヒット商品も生まれ、今では「オルビス」や「バルクオム」など多くのブランドがシリーズ展開するなどメンズメイクのラインアップも多様化しています。
また、スキンケアでいえば高機能アイテムです。最近はネットやSNSが普及して人から見られる機会や、男性が美容知識を得る機会が増えたことで、シワ改善やシミ対策・美白機能、パーツケアなど、ワンランク上のケアを取り入れる男性も増えており、ニーズが高まっているカテゴリーの1つであると思います。
あと、ボディケアの除毛・脱毛も注目です。最近は男性でもムダ毛ケアニーズが高まっているものの、サロンに通うことに抵抗がある男性も多いので、「ギャツビー」や「スカルプD」などから自宅でケアできるシリーズが誕生したことで市場が急激に拡大しています。

今後についても、先ほど述べたように”自己表現”の一環としてメンズコスメを取り入れる男性も増えていることから、メイクや高機能スキンケア、除毛・脱毛といった、従来はあまり男性に馴染みのなかったカテゴリーが伸びていくのではないかと思っています。

 

―なるほど、男性化粧品も多様化しているのですね。では、今回の調査のここに注目してほしい!というポイントをお聞かせください。

福原最近はブランドも多様化し、いい意味で従来の”メンズコスメ”という型にはこだわらない様々なコンセプトのブランドが誕生していることが大きなポイントであると思う一方、新ブランド・商品の参入が目まぐるしくて新しいものを追いきれないという状況でもあるのではないかと思いました。
そこで、今回の調査ではできる限り多くのブランドを把握していただけるようにと、大手ブランドから新規参入まで約170ものブランドを対象にしました。ここまで多くのブランドを商品展開や販売方法、売上など、様々な角度から分析した調査はあまりないと思いますので、そこにご関心いただけたら嬉しいです。
また、従来の弊社の資料とは全体的に構成や見せ方を変えてリニューアルした点もポイントです。特に今回はブランド数も多いので、色んなブランドを分かりやすくご覧いただけるように工夫しました。画像や図を使ってまとめておりますので、メンズコスメにとって重要な『ビジュアル』や『販促』についても視覚的にご覧いただきやすくなっていると思います。

 

―従来資料からのブラッシュアップがすごいですね!お客様からはどのような感想・評価をいただいていますか?

福原:実際にご購入いただいたお客様からは、「把握できていなかったブランドも多くて参考になった」「知らないブランドもあって驚いた」や、「これだけ多くのブランドを深堀りしているので活用しやすい」といった有難いお言葉を頂いております。
新商品の展開やリブランディングを考えていらっしゃるブランド様や、これから新規参入されるメーカー様など様々なお客様にご覧いただきましたが、やはり今のメンズコスメ市場を把握するのは難しいと感じていらっしゃる方も多く、その点が今回の調査目的とも合致して、参考にして頂けているのだと思います。
また、「このデータをもっと深堀りしてほしい!」などといったご要望もいただいておりますので、次回調査に向けてもっと皆様にご活用いただきやすい情報を提供できるよう、ブラッシュアップしていけたらと思っています。

 

 

―大好評ですね!ご好評いただていて嬉しいですよね。

松川:はい、注目市場であるメンズコスメの動向を探る一冊として、ぜひご覧いただきたいレポートとなっております。少しでもご興味、ご関連のある方は、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

 

 

 

 

 

 

―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューした調査レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

『2022年 メンズコスメの市場分析調査』
『身嗜み』『悩み解決』から『自己表現』へ、 多様化するブランド戦略を徹底分析!