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2022.07.26

リサーチャーに聞く!#7 『2022年 農業技術/ビジネスの動向分析調査』調査のポイント

PRESS

CHEMICAL

第7回は、2022年6月27日に発刊した『2022年 農業技術/ビジネスの動向分析調査』です!
「スマート農業」や「農業バイオ資材」が注目される中で、大きな転換期を迎えた農業市場について
弊社リサーチャーの天野洋介に調査のポイントについてインタビューしました!

 

 

天野 洋介 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ  Chemical

主任 天野 洋介

—Profile—

入社当時から、Chemical分野での調査を担当している。
これまでに、医薬品原薬・中間体、肥料・土壌改良材、界面活性剤等の調査を行った。
最近では、農薬や農業技術/ビジネス等のアグリ関連の調査に注力している。
趣味はライブ観戦とギター演奏。学生時代からMr.Childrenの熱狂的なファンであり、今年もライブに行っている。

 


―なぜ、今回、農業技術/ビジネスについて調査を行ったのですか?

天野内の農薬市場は、今まさに転換期を迎えております。後継者不足により高齢化、さらには環境問題に関する関心の高まり等、様々な問題に直面しており、国主導でテクノロジーの力を用いて解決しようと模索している段階です。農業従事者の高齢化問題については、AIやIoTを活用した「スマート農業」、環境負荷低減の視点からは生物農薬やバイオスティミュラント等の「農業バイオ資材」が注目と集めています。
「スマート農業」や「農業バイオ資材」を軸に、注目されているが市場が見えにくいテーマを第3者である弊社が調査・分析をすることが農業関連企業や周辺企業の方にとって大きな意味があるのではと思い、本調査を行いました。

 

―わかりました。では、調査前にはどのような仮説がありましたか?

天野「他業種の企業との協業」がキーワードとなるのではと仮説を立てていました。特にスマート農業は、AIやIoT等の先端技術と組み合わせて実現するため、農業関連企業だけでは成立しません。農業関連企業がシステムメーカーやドローン・ロボットメーカーと協力して、何が目的で、どんな製品を展開しているのかを明らかにすることが重要ではないと感じていました。

 

 

―なるほど。では、今回の調査で明らかになったことはありますか?また、新たな発見があればお聞かせください。

天野調査では、私の想定していた通り、農業関連企業が様々な企業とタッグを組んでスマート農業を推進していました。例えば、農薬メーカーの日本農薬とドローンメーカーのDJI JAPANは、ドローンを使用した農地の防除ソリューションにおいて業務提携を結んでいます。また、農機メーカーのヤンマーとシステムメーカーのベジタリアがそれぞれのシステムを連携させたりしており、協業体制が活発化していることが分かりました。
一方で、新たに感じたことは、スマート農業関連企業と現場との間に少し距離があると感じました。調査中にある農業関係のセミナーに参加させていただきました。その時に、既にスマート農業関連製品を導入・使用している農業生産者が私の想定よりも少ないことに驚きました。農業生産者にとって、スマート農業の導入はコスト面や、変化に対する不安等があると思います。スマート農業の更なる現場への浸透が、今後の課題であると感じました。
現状は、上記のような課題はありますが、現在、スマート農業は、農林水産省が普及・拡大を推進しており、「スマート農業実証プロジェクト」の実施や、「スマート農業推進総合パッケージ」を策定しています。今後、国内スマート農業市場は、着実に成長していくと確信しております。

 

―ありがとうございます。農業バイオ資材については、調査してみていかがでしたか?

天野生物農薬よりもバイオスティミュラントの方が注目度が高いことが分かりました。
実際にバイオスティミュラントを展開するメーカーの方にお話をお伺いした際に、「国内のバイオスティミュラントは欧州に比べると市場の形成は遅れている。しかし、温暖化やストレスの多い環境が進む中で、作物の生産性の向上や品質向上への要求は、今後ますます高くなっており、これらは、従来の農薬や肥料では対処するのが難しい。国内農業においてバイオスティミュラントの必要性は着実に高まっていくだろう。」を仰っていたのが印象的でした。
また、農林水産省は、「みどりの食料システム戦略」にて環境負荷が高い農薬から低い農薬への段階的な転換を進め、化学農薬のみに依存しない総合的な病害虫管理体系の確立・普及を図っています。政府の後押しもあって、バイオスティミュラントをはじめとした農業バイオ資材は伸長していくでしょう。

 

―実際にスマート農業も農業バイオ資材も今後、注目の市場なんですね!では、最後に当資料にご興味をお持ちの方に一言お願いします。

天野:本調査は、スマート農業の中核を担う「植物工場」「農業用ロボット」「農業システムサービス」と、みどりの食料システム戦略を推進する上で重要な農業バイオ資材「生物農薬」「バイオスティミュラント」を調査しております。少しでもご興味ある方はご覧になっていただけますと幸いです。

 

 

 

―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューした調査レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

『2022年 農業技術/ビジネスの動向分析調査』
スマート農業、生物農薬、バイオスティミュラント等の革新的な市場を探る