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2023.06.16

リサーチャーに聞く!#47 『2023年 欧米化学メーカーの成長戦略』調査のポイント

PRESS

CHEMICAL

第47回は、2023年5月31日発刊の『2023年 欧米化学メーカーの成長戦略』です!
欧米化学メーカー各社の動向と戦略を明らかにした当レポートについて、弊社リサーチャーの中村永美に調査のポイントについてインタビューしました!

 

中村永美 プロフィール

リサ・リューション事業部 生産財部門  部長

中村永美

—Profile—

2014年に入社。2017年からケミカルチームに所属している。
これまで国内外問わず、ケミカル業界の調査を実査してきたほか、
現在では医療用医薬品領域を含む、生産財部門を担当している。
趣味はミュージカル鑑賞、落語視聴、読書など、これまではインドアかつ受け身のものが多かったが、
最近では自宅の狭小ベランダで家庭菜園に勤しむのが、何よりも至福の時間。
草花の成長に命の神秘を感じつつ、朝から日光に浴びて菜園を世話するという健康的な生活を送っている。

 

 


―なぜ今回、欧米化学メーカーの調査を行ったのですか?

中村弊社では元々、「欧米化学メーカーの成長戦略」の調査を定期的に行っており、今回はそのリニューアルとなります。
この前に発刊したのは2019年で、その時から世界経済は、コロナウイルス感染症の流行で大きな転換期を迎えました。
世界経済を下支えしているケミカルメーカーもまた、類に漏れずこの激動の時代を乗り越えていかなければなりません。
そこで市場を牽引する欧米化学メーカーを対象に、各社の成長戦略を改めて調査する良い機会と思い、この度発刊するに至りました

 

 

―なるほど。今回の調査を行うにあたり、こんなことを明らかにしたい!ということはありましたか?

中村コロナウイルス感染症の流行で経済活動が停滞した2020年を底に、各社とも2021年以降の売上高は、コロナ流行前を上回る推移で成長しております。
しかし、これは販売価格の引き上げや為替レートの影響により、売上高が上がっているだけで、販売量は減少し、利益率は下がっている、という企業は少なくありません。
そんな状況下で、各社はどのような戦略でこの時代を乗り切るのか、乗り越えていくのかを明らかにしたいと思いました。

 

―そうなのですね。実際、今回の調査でその点は明らかになったのでしょうか?

中村はい。各社の戦略は様々ですが、いくつかの共通点も見つかりました。
たとえば、この軟調な世界経済を乗り越えるためには、短期的な戦略も必要であるとして、徹底したコストの再調整(人件費やサービスコストの最適化)を推進する企業があります。

ただやはり、大きな共通点としては、中長期を見据えた「事業再編による経営効率の最適化」です。
とは言え、M&Aで事業を大きくしていく戦略は今や定石となり、目新しいものではありません。
ただ、私が感じるのは、近年の事業再編は、より角度が鋭くなっており、各社の注力事業が浮き彫りになっているということです。

たとえば、Covestroは2021年にDSMの樹脂および機能性材料事業を買収していますが、翌年2022年に売却した積層造形事業(3Dプリンティングプロセス材料)には、DSMから買収した事業も一部含んでいます。
買収した事業であっても、非コア事業が含まれていれば、それはすぐに売却する。無駄な経営資源を注がない、という姿勢がうかがえます。
同様に、DuPontは自社のモビリティ&材料事業のほとんどを売却しましたが、自動車用接着剤など一部の主力事業は残して、継続しています。

これまでも事業再編を繰り返してきた欧米化学メーカーではありますが、よりコア事業と非コア事業の取捨選択が鋭角になるとともに、その判断が短期間でスピーディー化していると感じました。

 

―今回の調査のここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。

中村:今回の調査では、やはり事業提携・再編動向の項目に注目していただければと思います。
各社がどの領域に注力しているのか、なにが不足しているから他社と提携しているのか(または事業を買収するのか)、を明らかにしています。

もちろん事業提携・再編動向のほかに、売上高や研究開発状況、生産設備投資状況も調査し、包括的な視点から各社の戦略をまとめていますので、ケミカルメーカーで働かれているすべての方々に活用いただける内容となっております。

 

―最後に、「欧米化学メーカーの成長戦略」に興味・関心のある方へ、今回の資料のアピールポイントを一言教えてください!

中村:すでにご購入いただいているお客様には、「大局を把握するためには有益な情報である」というお声をいただいております。
資料は、集計編と個別企業編の2部構成で、集計編は個別企業編で調査・分析した企業14社のデータをもとに、可能な限りカテゴライズし、比較したものとなっております。
欧米化学メーカー各社の戦略を比較される場合は集計編を、企業の戦略をより詳しく把握されたい場合は個別企業編を見ていただければと思います。
ぜひご興味持っていただけるようでしたら、お問い合わせ頂ければ幸いです。

 

 

 

―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2023年 欧米化学メーカーの成長戦略」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

『2023年 欧米化学メーカーの成長戦略』