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2024.01.12

リサーチャーに聞く!#70 『2024年 中国の化粧品市場』調査のポイント

PRESS

BEAUTY

第70回は、2023年12月22日発刊の『2024年 中国の化粧品市場』です!
市場全体およびブランド別・分野別・種類別・チャネル別の販売高を算出し、中国の化粧品市場を読み解くための7つのキーワードや消費者の意識、5大注目市場を解説した当レポートについて、弊社リサーチャーの任倩怡、富崎敦子に調査のポイントをインタビューしました!

 

任倩怡 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
任倩怡

—Profile—
中国・広東省出身。
2019年に来日し、大学院で日本のテレビドラマを研究していた。
2023年に入社後、化粧品分野で消費者調査と中国の市場調査を担当している。
現在は毎月無料配信中のニュースレターで、「中国の化粧品ニュース」コーナーを執筆している。
趣味は映画とドラマを観ること。レッサーパンダ好き。

 

富崎敦子 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
富崎敦子

—Profile—
2013年の入社当時から化粧品分野でマーケット調査と消費者調査を担当している。
これまでスキンケアを中心に、海外戦略、OEMなど幅広い内容で調査企画を提案し、
近年は商品企画や顧客提案、原料に関するコンサルティング業務にも携わっている。
趣味は、仕事終わりにヨガをすること。エアフォース1好き。

 


―今回、中国化粧品市場に対する調査は3年ぶりのリニューアルになっていますが、調査にあたって考えていた課題は何ですか?

任・富崎前回の資料「2021年 中国の化粧品市場」では、ちょうどコロナウイルスの感染拡大が始まった時期まで調査していますが、あれから3年が経ち、中国は”ゼロコロナ政策”時期から解放され、アフターコロナ時期を迎えました。市場全体の経済状況はもちろん、消費者のライフスタイルや美容意識、価値観も大きく変わっているでしょう。
これだけ変化があるなか、中国の美容トレンドはどう変わっているのか、気になります。また、化粧品メーカーはこの厳しい環境をどのような対策を講じて乗り越えているのか、それはきっと今後の展開にとってカギを握っていると思います。近年の商品戦略・販売戦略などを、このレポートで明らかにすることができればと思っていました。

 

―たしかにこの3年間の変化が気になりますね。実際、今回の調査で何か新たな発見はありましたか?

任・富崎まずは市場規模全体の推移ですが、2022年の中国化粧品市場は、ここ10年で初めてのマイナス成長です。徹底的に実施されたゼロコロナ政策がオフライン市場に影響があるとは予想できていましたが、ここまでダメージを受けていたことには、少し驚きました。
販売チャネル別にみると、百貨店・ショッピングモールチャネルが最も減収しています。都市封鎖による外出の減少だけではなく、厳しい環境の下、高価格帯商品に対する消費者マインドの低下も原因だと考えられます。
一方、 ネット通販チャネルの推移は堅調でした。ECは元から中国市場の強みではありますが、2022年にオフライン店舗の減収をカバーするためにさらに注力されていたことから、市場全体における構成比が4割近くなっています。

また種類別にみると、フェイシャルケア商品のほとんどが減収しているなか、フェイスマスクは前年より微増しています。中国ではフェイスマスクに特化したローカルブランド「Mask Family」(上海悦目化妆品)がシートマスクや泥パックなど豊富なラインアップを展開することで、保湿から毛穴ケア・ニキビケアまでの幅広いニーズに対応しており、市場をけん引しています。
コロナ禍ではマスクの着用によって、肌が敏感と感じたり、ニキビができやすくなるような悩みが増えています。在宅時間を利用して、肌荒れの症状を手軽に緩和できるフェイスマスクの需要が高まっているのは、また一つの発見となっていますね。

 

―なるほど。ほかに今回の調査結果でここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。

任・富崎一つは、オフライン・オンライン融合の取り組みです。
先ほど申し上げたように、中国市場では減少したリアル販売の売上をカバーするために、メーカー・チェーン店がECに注力しています。具体的には、化粧品専門店『セフォラ』 がコロナ禍のなか、他社に先んじてデリバリーサービス『美団』 と連携して、“即時配達”サービスで店頭の商品を外出できない消費者に届けています。そして2022年のEC 商戦“618”当日、全国の『セフォラ』のデリバリー売上は前年より16倍増加しました。
ほかにも、オフラインチャネルを中心に展開してきたメーカー・ブランドが『WeChat』などのSNSで公式の”ミニプログラム”を展開して、消費者とのコミュニケーションを強化しています。例えば、資生堂は航空、観光、ホテル、小売業界における複数のパートナー企業とともに、中国人生活者に向けて“日本の美”を発信するプラットフォーム『観美日本』 を開設し、『SHISEIDO THE SHOP』といった同社の店舗の情報も掲載しています。

もう一つの注目ポイントは、中国のローカルブランドの成長です。
近年の中国化粧品市場では、ローカルブランドの台頭によって競争が激化しています。特にコロナ禍では、EC運営の強みを発揮して売上を伸ばしたローカル企業が多いです。例えば、2000年代初期に創業した珀莱雅化粧品(PROYA)は2012年にEC中心の戦略に変更して、今ではオンライン販売の売上が約9割を占めています。同社の売上全体は2021年以降、3年連続で30%以上の成長率を維持していて、なかでも主力ブランド「PROYA」は”W11”(ダブルイレブン)などのEC商戦でロレアルグループのブランドと一二を争うほど成長しています。
2023年に入って、オンラインを中心に展開してきたローカルブランドは次々とオフラインのプロモーションを展開していて、認知の拡大を図っています。珀莱雅化粧品を含めた国内外キープレイヤー10社の戦略と動向については、当資料の【個別企業編】部分で明らかにしていますので、ぜひご一読いただきたいです!

 

―面白いですね!ちなみに、今注目の商品やトレンドとかはありますか?

任・富崎まずは敏感肌コスメです。
元々中国では、大陸からの風による乾燥や、深刻な大気汚染などの外的要因にくわえて、過度のストレスやアレルギー・アトピー体質の増加といった内的要因によって、“肌が敏感”と考える人が全国人口の3分の1にのぼると言われています。
しかも、先ほど申し上げたように、コロナ禍ではマスクの着用によって肌荒れなどの敏感症状が増えて、市場も拡大し続けています。2021年には、敏感肌コスメ市場が総合ECモール『Tmall』で40%以上伸びて、化粧品市場全体の成長に貢献していました。
ローカルブランドでは「WINONA」(贝泰妮)が好調に成長していますが、日系ブランドの「キュレル」(花王)や「フリープラス」(カネボウ化粧品)も消費者から信頼を寄せられています。

また、クリーンビューティ市場も要注目です。
中国の消費者では、十数年前から“成分重視”の意識が流行っていますが、それにくわえ、近年ではシンプルで安全なスキンケアが提唱されています。2019年以降、“クリーンビューティ”の理念が広がったことで、ナチュラル成分を売りにするローカルブランドがクリーンビューティにリブランディングしているほか、海外からもクリーンビューティブランドが続々と中国本土に参入しています。
最近の動向として、ロレアルグループが「イソップ」を買収して、中国・上海に旗艦店をオープンしています。また、エスティローダーグループが中国ローカルのクリーンビューティ新規ブランド「CODEMINT」に投資しているなど、大手企業が中国のクリーンビューティ市場に期待していることが覗えます。

レポートの【注目市場】部分では、この2つの分野のほか、エイジングケアや美白ケア、メンズコスメについて、市場規模・消費者意識・キープレイヤーとその人気商品・トレンドなどをまとめています。

 

では、最後に一言お願いします。

任・富崎あけましておめでとうございます。そしてこのインタビューをご覧になっていただき、ありがとうございます。
今回の資料では、コロナ禍中からアフターコロナ時期まで、中国の化粧品市場の変化を徹底分析しております。
前回版資料に引き続き市場規模をブランド別・分野別・種類別・チャネル別で推移を算出しているほか、中国の化粧品市場を読み解くための7つのキーワードや、消費者の実態・意識、5大注目市場を解説していますので、中国化粧品市場への進出のご参考にしていただけたら嬉しいです。
また、当資料は無料で3日間ご試読いただけますので、ご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!

 

 

―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 中国の化粧品市場」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

2024年 中国の化粧品市場