リサーチャーに聞く!#114 『2025年 世界の再生医療・遺伝子治療製品市場』調査のポイント

2025.04.15
  • リサーチャーインタビュー
  • Pharmaceuticals & Medical
リサーチャーに聞く!#114 『2025年 世界の再生医療・遺伝子治療製品市場』調査のポイント

第114回は、2025年3月31日発刊の『2025年 世界の再生医療・遺伝子治療製品市場』です!
再生医療・遺伝子治療製品市場について、個別企業編と集計分析編に分けて調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの伊藤広大に調査のポイントをインタビューしました!

 

伊藤広大 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Chemical & Life Sciences
伊藤広大

—Profile—

2016年の入社から2年間生産財チームで、ケミカル関連の調査を担当。
2018年からは、心機一転消費財チームの一員として、飲料や乳酸菌関連の調査を行った。
その後、2021年に生産財チームにカムバックし、現在は再生医療やカーボンニュートラル関連の調査を進めている。

 


―なぜ今回、再生医療・遺伝子治療製品の市場調査を行ったのですか?

伊藤近年、再生医療・遺伝子治療は、治療困難な疾患への対応や技術革新を背景に、次世代医療として注目されています。例えば、癌や遺伝性疾患、神経変性疾患など、従来の治療法では難しかった疾患に対して、根本的な治療が可能になりつつあります。また、AAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターを用いた遺伝子導入技術や、遺伝子送達技術が進展しており、これらの技術を活用することで、承認薬が増加しております。
こうした市場背景のもと、どのような特徴を持った製品が市場拡大を牽引しているのか。また、今後どのような研究開発が進展するのか明らかにすることで、マーケティングや研究開発にお役立ていただける情報を提供したいと考えました。

 

―そうなのですね。今回の調査にあたって、市場の動きについて新たな仮説はありましたか?

伊藤特に、CAR-T細胞療法用製品が市場拡大を牽引しているのではないか、という仮説のもと調査を行いました。理由としては、前回の2022年調査時に「Yescarta」や「Breyanzi」など、血液癌を対象とする製品の売上が拡大基調となっていたことがあります。この結果を基に、今回は血液癌における適応拡大が成長ドライバーとなり、市場が拡大するだろうと考えました。

 

―なるほど。実際、今回の調査結果は仮説通りになったのでしょうか?

伊藤はい。確かに、血液癌を対象とするCAR-T細胞療法用製品の適応拡大は、成長ドライバーの一因となっていました。実際に、「Breyanzi」は、2024年に様々な血液癌を対象に適応追加され、販売高が増加しています。また、前回調査時には上市されていなかった「Carvykti」の販売高が急拡大するなど、新たな製品が市場を牽引していることが分かりました。
さらに、今回の調査では、CAR-T細胞治療用製品だけでなく、AAVベクターを用いた遺伝子治療用製品も市場拡大に貢献していることが明らかとなりました。例えば、「Elevidys」は、2023年にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を適応症として承認されて以来、米国を中心に販売高が拡大しています。

 

―CAR-T細胞療法用製品とAAVベクター遺伝子治療用製品が、市場拡大を牽引しているのですね。この調査について、お客様からはどのような評価をいただいていますか?

伊藤経営企画のお客様からは、再生医療・遺伝子治療製品市場について、地域別や企業別、治療法別、ブランド別、疾患領域別と、多角的な視点から市場動向を把握できる点で、ご好評いただいております。
また、研究開発のお客様からは、各社の開発状況について、開発パイプラインに基づいた分析が行われている点で、高く評価されております。

 

市場動向や研究開発動向の把握に役立つのですね。最後に、今回の調査のここに注目してほしい!というポイントを是非聞かせてください。

伊藤再生医療・遺伝子治療製品市場は、CAR-T細胞療法用製品やAAVベクター遺伝子治療用製品を中心に、これからまだまだ伸びていく市場です。こうした状況を考慮し、個別企業編では、Legend BiotechやSarepta Therapeuticsなど、近年市場拡大を牽引している企業の情報を新たに追加しました。また、bluebird bioやuniQure、BioMarin Pharmaceuticalなど、今後の遺伝子治療用製品市場において、リーダーとなる可能性のある企業を新しくピックアップしております。
集計分析編では、これらの企業を加えた分析を行うことで、より精度の高いマーケット情報を把握できると考えております。少しでもご興味がございましたら、ぜひご試読いただければ幸いです。

 

―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 世界の再生医療・遺伝子治療製品市場」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

 

『2025年 世界の再生医療・遺伝子治療製品市場

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