リサーチャーに聞く!#117 『2025年 界面活性剤の市場分析調査』調査のポイント

2025.05.27
  • リサーチャーインタビュー
  • Chemical & Life Sciences
リサーチャーに聞く!#117 『2025年 界面活性剤の市場分析調査』調査のポイント

第117回は、2025年4月21日発刊の『2025年 界面活性剤の市場分析調査』です!
市場編と個別企業編に分けて調査を実施。市場編では界面活性剤の市場規模や種類別、イオン別、用途別、企業別の市場を分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの天野洋介に調査のポイントをインタビューしました!

 

天野洋介 プロフィール

リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Chemical & Life Sciences
主任 天野洋介

—Profile—

入社当時から、Chemical分野での調査を担当している。
これまでに、医薬品原薬・中間体、界面活性剤、農薬、バイオ医薬品CDMO等の調査を行った。
趣味はライブ観戦とギター演奏。学生時代からMr.Childenの熱狂的なファンであり、ライブも頻繁に行っている。

 


―なぜ、今回、「界面活性剤の市場分析調査」を実施しようとしたのですか?

天野2020年以前は、インバウンド(訪日外国人)における化粧品、洗剤の爆買いと並行して国内の界面活性剤市場は堅調に拡大していました。その後、新型コロナウイルスが原因で一時的に供給が滞り、市場は低迷しました。しかし、消毒向けの洗浄用途の増加やインバウンドの再増加に伴い、国内市場は緩やかに拡大していると考えられます。復調の兆しがみられるこの時期に界面活性剤の国内マーケットや主要企業の取り組み、今後の方向性などを調査することで界面活性剤メーカーや界面活性剤を使用している企業様に新しい気づきをご提供できるのではと考え、本調査を行いました。

 

―なるほど。では、今回の調査について、どのような仮説をお持ちですか?

天野以前から、低環境負荷製品が重要になっていく考えがグローバルに浸透していました。国内の界面活性剤市場においても同様の流れがあると私自身、仮説を抱いておりました。具体的には天然由来の界面活性剤の研究開発や製品展開、用途拡大が活発化しているのではないかと考えていました。
また、海外の加速も仮説の1つとして抱いていました。主要企業が販売網の拡大や現地拠点の設立など、積極的な海外戦略を行うことで海外需要の取り込みを図っているのではと思っていました。
もう1つは微生物由来のバイオサーファクタントの台頭を仮説として考えていました。完全生分解性という機能を持つバイオサーファクタントは国内外で研究開発が進めれていました。この次世代の界面活性剤も市場に影響を与えていると考えていました。
「天然由来の界面活性剤」、「海外の加速」、「バイオサーファクタントの台頭」、これら3つの仮説を立てて調査を開始しました。

―今回の調査で、明らかになったことは何ですか?

天野天然由来の界面活性剤は仮説の通り、各社が提案強化を強めていることが分かりました。中でも主要企業はアミノ酸系界面活性剤の提案を強化しています。アミノ酸系界面活性剤は環境にやさしい原料を重視する消費者のニーズにあった天然由来の界面活性剤として香粧・医薬用途で今後の成長が期待されています。主要企業が「脱石油由来」をキーワードとして戦略をあげていることもヒアリングを行うことで確認できました。
海外の加速でも私の仮説の通り、主要各社がチャイナリスクの観点から中国以外のアジア諸国を重点地域と位置付けて事業を加速させていました。例えば、ある企業はバングラデシュに現地法人を設立し、現地で界面活性剤の製造・販売を行っていき、売上拡大を目指す戦略を掲げていました。
一方、バイオサーファクタントは、まだまだ成長途中であり、市場に貢献するのはもう少し先であり私の仮説通りではありませんでした。バイオサーファクタントのコスト、商業生産、用途拡大などの課題が解消されると国内でも伸長していくと考えております。

 

―主要企業の具体的な取り組みがあったのですね。今回の調査で他に明らかになったことはありますか?

天野市場全体において、金額ベースでは拡大しているものの、数量ベースでは減少していることが分かりました。この理由としましては、天然由来界面活性剤のような少ない量で高い効果を示す界面活性剤が台頭していることがあげられます。また、近年の為替の影響もあり界面活性剤の平均価格が高騰していることから「金額増加、数量低下」の国内マーケットとなっております。界面活性剤の価格高騰の動きは今後も続くとみられ、この流れは暫く続いていくと予測しております。

 

ありがとうございます。界面活性剤の市場分析調査について、お客様からはどのような感想・評価をいただいていますか?

天野こちらの資料はケミカルメーカーのお客様だけでなく、化粧品メーカーや洗剤メーカーのお客様にもご購入いただいております。ご購入いただいたお客様には、「界面活性剤の主要各社の情報が網羅されており、事業戦略を策定する上で非常に参考となる」、「海外戦略において主要各社の具体的な重要拠点を把握できる」、「自社や競合他社の事業規模や、注力している研究開発用途を把握できる」など、多くの高い評価をいただいています。まだ、内容をご覧になっていない方はご試読いただけますと幸いです。

 

―では、最後に資料の活用ポイントを是非聞かせてください。

天野当資料では、市場規模全体や主要各社の販売高を金額ベース記載しているほか、数量ベースでも細かく記載させていただきました。数量ベースについては、以前からご要望いただいておりまして、今回よりデータを算出したのがポイントとなっております。主要プレーヤーのお客様にとって、自社のポジションや競合他社の情報が記載されており、今後の事業戦略データとしてご活用いただける内容となっております。こちらのテーマは、土日祝を除く3日間で試読も承っておりますので、まずはお気軽にお問合せいただけますと幸いです。何卒、よろしくお願いいたします。

 

 

―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 界面活性剤の市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

 

『2025年 界面活性剤の市場分析調査

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