美容・化粧品
第118回は、2025年5月13日発刊の『2025年 頭髪化粧品の市場分析調査』です!
ヘアケア、ヘアカラー、ヘアメイク、育毛商品の各分野を徹底分析。大手ブランドから新興ブランドまで幅広いブランドを対象に、各ブランドの発売経緯やコンセプト、商品展開、販売高、販売方法などを分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの富崎敦子、大澤杏菜、吉岡由莉に調査のポイントをインタビューしました!
富崎敦子 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty & Cosmetics
データアナリスト 富崎敦子
—Profile—
2013年の入社当時から、化粧品分野でマーケット調査と消費者調査を担当している。
これまでスキンケアを中心に、海外戦略、OEMなど幅広い内容で調査企画を提案し、
近年は商品企画や顧客提案、原料に関するコンサルティング業務にも携わっている。
趣味は、仕事終わりにヨガをすること。エアフォース1好き。
大澤杏菜 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty & Cosmetics
大澤杏菜
—Profile—
2024年に入社後、化粧品分野で消費者調査と市場調査を担当している。
直近では、女性の美容に関する消費者調査や、オーガニック・ナチュラルコスメの市場分析調査を担当。
韓国コスメをチェックするのがマイブームで、韓国語を勉強中。ネコが好き。
吉岡由莉 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty & Cosmetics
吉岡由莉
—Profile—
2024年に入社後、化粧品分野で消費者調査と市場調査を担当している。
直近では、スキンケアに関する消費者調査を担当。
趣味はショッピングとアニメを観ること。最近は、カプセルトイでかわいいチャームを集めることがマイブーム。
―今回頭髪化粧品をテーマにした調査とのことですが、現在の頭髪化粧品市場の課題は何だと考えていますか?
富崎:頭髪化粧品市場は成熟期にあり、2020年はコロナ禍にもかかわらず『おうち美容』ニーズの高まりにより、安定的な推移を維持していました。しかし2021年以降、新興ブランドが相次いだことで商品コンセプトや訴求ポイントに類似性のあるブランドが増加し、差別化が難しくなってきていることが課題となっています。こうした背景から競争は激化し、市場は停滞傾向にあります。
特に市場の半数を占めるヘアケア分野では、中〜高価格帯が近年大きく成長していますが、花王の「メルト」やファイントゥデイの「プラストゥモロー」など大手企業からの同価格帯参入も相次いでおり、競争環境は一層厳しくなっているのが現状です。実際、過去3年にわたり伸び続けているのは「YOLU」、「セラティス」、「オルナオーガニック」などごく一部に限られています。
また、育毛商品市場においては、これまで市場を牽引してきたファーマフーズの業績鈍化に加え、通販チャネルの広告費高騰や新規参入の増加を受け、競争が激化しています。
―なるほど、頭髪化粧品市場では、生き残り競争が激しくなっているのですね。
今回の調査では、何か新たな発見はありましたか?
大澤:はい、今回の調査では『若年層』をターゲットとするブランドの動きが特に目立ちました。
近年、新興ブランドの台頭により差別化が難しくなっていましたが、最近登場しているブランドの多くは若年層をターゲットとしており、SNSを中心に話題を集めるなどして成功を収めています。今後は、若年層のライフスタイルや価値観に寄り添いながら、トレンドを的確に捉えた商品を展開するブランドに注目が必要です。こうしたブランドは、既存の枠組みにとらわれない高い新規性を強みに、急速に存在感を高めており、今後の市場を席捲していくのではないかと考えています。
具体例として、花王の「エッセンシャル」はもうすぐ誕生50周年を迎えるロングセラーブランドですが、長年ファミリー向けとして親しまれてきた影響で、『実家シャンプー』というイメージが定着していました。その結果、こだわりのない層が使用するブランドとして売上が低迷していましたが、2024年に全面リニューアルを実施。広告モデルに韓国アイドルグループを起用するなどして若年層へのアプローチを強化した結果、売上は回復し、『実家シャンプー』のイメージを払拭する若年層ブランドとして再スタートを果たしています。
―『若年層』を起点に市場が動き始めているのですね。
商品トレンドの変化について、具体的には各分野でどのような商品が注目されているのでしょうか?
吉岡:まず、ヘアケアでは成分重視の商品が多くみられます。なかでも注目されるのは、ビタミンCやレチノールといったスキンケア成分を配合した『スキンケア発想』のアイテムと、タンパク質や脂質といった髪を構成する成分を用い、生物学的変化に着目した『ヘアバイオロジー発想』のアイテムです。また、シャンプー・コンディショナー・トリートメントの役割を一つにまとめたオールインワンシャンプーや、いつものケアに追加して使うブースターアイテムも増加しています。
ヘアカラーにおいても、成分訴求を強化するブランドが目立っています。『ヘアカラー=ダメージ』という従来のイメージに対し、美容保湿成分や髪を保護・強化する成分を配合することで、ダメージレスや色持ちの良さを打ち出す商品が注目されています。
また育毛商品の分野では、有効成分高濃度で配合し、より高い効果実感をアピールする商品が増えています。また、ファインバブルやナノバブルを発生させる容器、あるいはマイクロニードルを注入するアプリケーターのように、有効成分の浸透力を高めるための微細化技術の活用も広がりを見せています。
さらに、ヘアメイクにおいては、ナチュラルで抜け感のあるスタイリングの人気が高まる一方で、前髪などピンポイントで崩したくない部分へのニーズも高まっています。そのため、抜け感のあるスタイルを長時間キープできる「ロックオイル」や、前髪に特化した「前髪スティック」が仕上がり別で訴求されるなど、注目を集めています。
―どの分野も成分を強化する傾向にあるようですね。
今回の調査のここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。
吉岡:今回特に注目していただきたいのは個別企業編で新たに取り上げた新興ブランドの動向です!
近年、新興ブランドが台頭により、頭髪化粧品市場の勢力図は大きく変化しています。当レポートでは、差別化が難しくなっている市場環境のなかで、新興ブランドがどのような施策で存在感を高めているのか、成功事例を交えて詳しくご紹介しています。最新の市場動向を掴むうえで、ぜひ注目していただきたいポイントです。
具体的には、2024年以降に花王から誕生した「メルト」や「ジアンサー」、ファイントゥデイの「プラストゥモロー」といった大手発の新興ブランドに加え、若年層を中心に人気を集めている「UNOVE」も取り上げています。さらに、バラエティチャネルで勢力を伸ばし、2025年にはドラッグストアチャネルへの参入を遂げた「ReFa」についても詳しく掲載しています!
また今回は、実際にドラッグストアやバラエティショップを訪問し、各ブランドの店頭施策についても調査を行いました。実地調査によって、デスクリサーチだけでは見えづらかった各ブランドならではの工夫や特徴が明らかになり、それらの情報をブランドページで紹介しています。今回初の試みとして導入しましたので、ぜひご覧いただきたいポイントです!
―実際に店舗に足を運ばれたんですね!やはり店頭のリアルな施策を掲載することは、資料の価値を高めますよね。最後に読者のみなさまに一言お願いいたします。
大澤:最後までご覧いただきありがとうございます。
当レポートでは、各市場の商品トレンドや参入ブランドの販促活動の動向、消費者調査分析なども掲載し、競争が激化する同市場で問われる新たな戦略について盛り込んだ大変興味深いレポートとなっております。
また、無料の試読サービスもございますので、ぜひ一度ご一読くださいませ!
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 頭髪化粧品の市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。
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