リサーチャーに聞く!#119 『2025年 健康ペットフード市場の動向と将来展望』調査のポイント

2025.05.27
  • リサーチャーインタビュー
  • Health & Food
リサーチャーに聞く!#119 『2025年 健康ペットフード市場の動向と将来展望』調査のポイント

第119回は、2025年4月23日発刊の『2025年 健康ペットフード市場の動向と将来展望』です!
健康志向の高まりを背景に拡大する健康ペットフード市場に焦点を当て、種類別に訴求や成分、剤型、ターゲットなどの切り口から市場動向を多角的に分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの堀越滉平、前田雅俊に調査のポイントをインタビューしました!

 

堀越滉平 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health & Food
主任 堀越滉平

—Profile—

2018年の入社当時から健康食品分野で主にマーケット調査を担当している。
これまで健康食品通販や乳酸菌関連商品、健康食品R&Dなどの調査を行った。
趣味は野球観戦で、大の阪神ファン。今年も甲子園球場に何度も行って、熱のこもった応援に努めている。
昨年は残念ながら連覇を逃したが、今年こそは再び頂点を目指し、より一層熱い応援に努めていく。

 

前田雅俊 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health & Food
前田雅俊

—Profile—

2022年に入社後、健康食品分野を中心に、通信販売や研究開発に関する調査を担当。
現在は知見を広げるため、健康食品に限らず、さまざまな分野のレポート作成にも携わっている。
また、会社近くにある京セラドーム大阪の影響で、最近は野球観戦の機会が増加。
ファンである中日ドラゴンズの試合を観るため、バンテリンドーム名古屋への遠征も計画中。

 


―これまでTPCでは健康をテーマにしたレポートを多数発刊してきましたが、今回は人向けではなく、ペットにフォーカスした調査を実施した背景について教えてください。

堀越健康は今や私たちの生活において欠かせないテーマとなっていますが、人向けの市場はすでに成熟し、企業間の競争も激しさを増しています。一方で、近年はペットを家族の一員として大切にする人が増え、「ペットにも健康で長く過ごしてほしい」という意識が飼い主の間で急速に高まっています。こうした背景を受けて、ペット向けの健康フード市場に注目が集まっており、企業様にとっても、これまで培ってきた知見や技術を新たな分野で活かす好機になっていると感じています。実際に、ペット関連分野への参入を検討される企業様からのニーズも高まっており、今回の調査実施に至りました。

 

―そうした背景のもとでの調査だったのですね。では、ペットフード市場全体ではなく、健康を訴求したペットフードに対象を絞ったのはなぜでしょうか?

前田ペットフード市場全体が拡大を続けるなかでも、特に“健康効果”を訴求した商品の成長が顕著で、市場を牽引する存在となっています。飼い主の間では、「毎日与えるものだからこそ、健康に配慮したい」という意識が定着しつつあり、特定の健康課題に対応したごはん(主食)やおやつ、サプリメントなどへの関心も高まっています。こうした動向を踏まえ、ペットフード市場の現状や今後の方向性をより深く捉えるには、健康という切り口に特化して分析することが有効と判断して対象を絞っています。

 

―なるほど。では、実際に調査を行ってみて、どのような点が明らかになったのでしょうか?

堀越特に印象的だったのは、「ペットフードの種類によって、飼い主が求める価値や期待が大きく異なる」という点です。「健康に良ければどれでも売れる」といった一律の構造ではなく、主食・おやつ・サプリメントなど、種類ごとに飼い主が重視するポイントや求める機能に違いがあることが明らかになりました。

 

―興味深いですね。具体的には、どのようなニーズの違いがみられたのでしょうか?

前田例えば、ペットのライフステージや用途に応じて、重視される訴求には明確な違いがみられました。若齢期では免疫力向上や筋力維持、整腸効果など発育段階から健康基盤を整える訴求、高齢期では関節対策や腎臓対策など、高齢期に発症しやすい疾患に対応した訴求への関心が高まっています。
また、主食においては、健康や品質に対する意識の高まりを背景に、単なる栄養補給にとどまらず、健康維持や疾患予防を意識した商品へのニーズが拡大しています。特に、関節対策や腎臓対策を目的とした商品、消化吸収に優れた食べやすい商品などが注目されています。
一方、おやつでは、毎日の習慣化が求められるオーラルケアや整腸効果を目的とした商品のニーズが高まっています。
このように、ペットフードの種類ごとに異なるニーズに的確に応える商品設計やアプローチが、今後ますます重要になっていくと感じています。

 

―確かに、ペットフードの種類ごとに役割が明確になってきている印象ですね。そうした中で、今後の市場動向や、事業展開に関する展望についても聞かせてください。

堀越今後は、多様化するニーズに応える新商品の開発が、さらに加速すると見込まれます。特に、高齢ペット向けに関節や腎臓のケアなど、加齢に伴って増加する疾患へのアプローチが、今後ますます強化されていくと予測されます。また、ペットの医療ケアが進展する中で、獣医師による商品推奨の広がりも、市場成長を後押しする重要な要因になるでしょう。
おやつでは、単なる嗜好性だけでなく、生活の質(QOL)向上を意識した商品への注目が高まっており、今後は認知機能対策やストレス緩和、睡眠改善、アイケアといったテーマでの訴求が拡大していくと考えられます。
サプリメントにおいても、日常的な予防ケアとしての位置づけがさらに進み、関節対策や整腸効果といった継続的なケアへのニーズが、今後より一層高まっていくとみられます。

 

―非常に多面的な広がりがみえてきますね。では最後に、本調査レポートにおいて「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば、ぜひ教えてください。

前田今回の調査では、健康という観点から市場を「主食」「療法食」「おやつ」「サプリメント」の4つに分類し、それぞれの訴求ポイント、成分・剤型、ターゲット層などの観点から多角的に分析を行っています。
現在の市場規模や主要プレイヤーの商品展開・販促活動の特徴を整理するとともに、チャネル別・種類別の視点から、今後の市場性についても展望しています。新規参入を検討される企業様はもちろん、既存ブランドの戦略再構築や、より実践的なマーケティング施策の立案にも活用いただける内容となっていますので、ぜひご活用いただければと思います。

 

―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 健康ペットフード市場の動向と将来展望」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

 

『2025年 健康ペットフード市場の動向と将来展望

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