美容・化粧品
第123回は、2025年1月30日発刊の『2024年 認知症予防の実態と商品ニーズ(第3弾)』です!
50~70代男女の認知機能の低下の実態や、認知機能対策の実態、対策商品の摂取状況などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの森井まゆ子、福井淑乃に調査のポイントをインタビューしました!
森井まゆ子 プロフィール
リサ・リューション事業部 セールスアカウントグループ Health & Food
シニアセールスアソシエイト 森井まゆ子
—Profile—
入社以来、ヘルスケア領域を担当。
上司からの「仕事の原点はお客さん」という言葉と、「事件は会議室で起こっているのではない、現場で起きている」をモットーに、年間200件近くのオンラインミーティングを実施。
日々変化する顧客ニーズに向き合っている。
福井淑乃 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Health & Food
データアナリスト 福井淑乃
—Profile—
入社当時は加工食品分野で市場調査や独自調査を担当。
2019年にヘルスケア領域の担当となってからは、消費者調査を専門に調査を行っている。
最近はミラーレス一眼カメラを購入し、旅行先での撮影や周辺機材の収集を楽しんでいる。
―「認知症」は超高齢化に伴い日本の喫緊の社会課題ですが、認知症を未然に防ぐ「認知症予防」について、TPCではどのようなデータがあるのでしょうか。
森井:TPCでは、市場調査と消費者調査の2種類をラインアップしています。マーケットとユーザーの両面から市場を理解することが重要ではないでしょうか。
今回メインでご紹介する消費者調査は、2020年、2022年に続き、第3弾(2024)となります。
時系列でデータをみたいというお客さまは多く、今回もお客様からご予約をいただきました。
「認知・記憶力向上」を訴求した健康食品市場は拡大を続けており、2024年は251億円(見込)です。
最近の市場動向として、主要サプリメントの売上拡大に加え、食品形態の増加があるかなとおもいます。主要サプリメントは、「オメガエイド」(サントリーウエルネス)、「ニュートリライトブレイン&ハートプラス」(日本アムウェイ)、食品形態は「からだおだやか茶W」(日本コカ・コーラ)、「記憶対策ヨーグルト」(森永乳業)などが上位です。
―TPCでは、マーケットとユーザーの両面から「認知症予防」市場を探求できるのですね!
特に、お客様が知りたいのは、ユーザー動向かとおもうのですが、、、
福井:我々は4年にわたり、2年ごとの時系列データを持っており、そこが大きな強みですね。お客さまからもよくおっしゃっていただきます。2020年から4年でこんなにブランドが移り変わるのか、と驚かれることも多いです。
上位15ブランドをみると、食品飲料カテゴリーは2020年2ブランド→2024年6ブランドに増加しています。
さきほどお伝えしたブランド以外に「あしたを想うオールフリー」(サントリー)、「お~いお茶お抹茶」(伊藤園)「歯につきにくいガム(記憶力を維持するタイプ)」(ロッテ)、 「みんなのみかたDHA」(ニッスイ)がラインクインしています。
また、サプリメントは、2年連続1位の「DHA&EPA+セサミンEX」(サントリーウエルネス)から2024年は「DHA」(DHC)がトップとなりました。
以上のブランド変遷も興味を持っていただけるところかなとおもいます。
具体的なユーザー像をみていくと、女性ユーザーが57%、性年代別では、女性70代が25.7%を占めており、やや女性優位な市場かとおもいきや、TPC独自のクラスター分析をみると、現役世代の男性会社員を有する「アクティブタイプ」が19%を占め、クラスターのなかでもっとも割合が多いことがわかりました。
「アクティブタイプ」は、2020年調査時からのクラスターで当時は他のクラスターの割合が高かったのですが、2022年、2024年は同タイプが最大となりました。
―なぜ、アクティブタイプが増えたのでしょうか。
森井:認知機能関連の「現在の悩み」が多くその悩みが今後進行したら……という「将来的な不安」を解消するために同タイプの割合が多くなっています。
「アクティブタイプ」は、人生をアクティブに楽しむために認知機能対策に取り組んでいる人たちです。現役世代が多く、世帯年収も高いのが特徴です。現役であるために、自身の認知機能の低下に敏感で日常生活や精神面への影響を強く感じています。具体的には、「柔軟な考え方ができなくなった」ことや「家族や周囲の人に認知を指摘される」人の割合が高く、認知症予測テストでは「病的」の人が2割弱を占めます。一方、健康意識が非常に高く、健康食品や脳機能対策商品に費やす金額がクラスターの6タイプのなかで最も高いです。さらに、インサイトをみると「興味のある分野の情報収集は積極的に行う」、「健康を第一に考えた生活を送っている」などの価値観が高く、認知機能対策のベネフィットは、「いつまでも若々しくいたい」、「趣味を楽しみたい」、「車の運転を安全に行いたい」となっています。
以上のことからも、「アクティブタイプ」は今後も有望なターゲットかなとおもいます。
―クラスター分析もかなり詳しいですね!
それがわかると、どんなメリットがお客さまにあるのでしょうか?
森井:メリットの前に、まず、性別や年代などの属性だけで商品開発や販売などの戦略を立てるのは危ういということがお分かりいただけるかなと思います。クラスター分析を軸に、ターゲットを絞ることで解像度が上がります。ターゲット解像度が上がるということは、より有効な戦略=1%でも精度の高い施策が打てるということにつながります。
―具体的にお客さまからどのような要望があったのでしょうか?
森井:有料オプションのペルソナ分析やカスタマージャーニー分析などのご依頼が増えていますね。
クラスター×年代・性別などさらに有効ターゲットを絞ることで、より解像度を上げたいというニーズが高まってきているかなとおもいます。
TPCでは、2020年から本格的にクラスター分析を行っています。この5年間の積み上げがTPC消費者調査をお選びいただける理由のひとつになっているのかなとおもいます。ありがたいことに、お客さまからの問い合わせも年々増えています。
―お客さまの信頼を得ているのですね!
さらに、今回の調査のファインディングスについて教えてください。
福井:注目トピックとしては、さきほどのブランドのお話でもお伝えしましたが、この4年間でユーザーの変化が見て取れました!商品認知からトライアル・リピートへの移行率、ブランドの選択理由など、関連メーカー様にはぜひ把握いただきたいデータが満載です。
また、未婚率や両親との同居が増えているなど、団塊世代や団塊ジュニア世代の社会課題が浮彫になっています。また、認知症予測テストをみると、「要注意」「病的」の人が増加傾向にあることもわかりました。
2023年には一人世帯が34%の最大派閥となり、生涯未婚率は今後さらに増えると言われています。
今回の調査では、73.3%もの人が自分が認知症を発症すると回答しており、年代では「50代」、クラスターでは「アクティブタイプ」、「ウォーリータイプ」が突出しています。また、65.1%が「認知症は加齢による自然現象(誰でもなる可能性がある)」と回答しています。
また、対策商品を摂取する理由として「健康な状態で長生きしたい」、「毎日を楽しく過ごしたい」、「いつまでも若々しくいたい」に次いで、「家族や周囲の人に迷惑をかけたくない」が56.4%、「介護を受けたくない」が53.3%で続くなど切実な想いが読み取れます。
以上のデータからも認知症予防のニーズはしばらく続くかなと思います。
―調査データから社会課題も把握できるのですね!
他に伝えたいことはありますか?
福井:生活習慣による認知症の発症リスクは以前からいわれてましたが、今回「睡眠」との関連をデータで示すことできました。まずは、認知症を発症する可能性として「睡眠不足だから」と回答した人が27.5%にのぼりました。そして、コロナ時の自粛期間に「睡眠時間が減った」と回答した人の5割が「認知・記憶力の低下を感じる症状が増えた」と回答しており、4年の時を経てもなおコロナの影響を受けていることがわかりました。
また、話題の関連ワードの認知度も把握いただけます。「軽度認知障害(MCI)」は51.2%、「脳腸相関」は20.5%の認知度でした。
―認知症予防について詳細にありがとうございました!
お客さまにもレポートの魅力が伝わるインタビューだったかとおもいます!
最後に、おトクなTPC消費者調査レポートの無料オプションのお知らせをお願いします。
森井・福井:①出典名の記載で社内外データとして活用いただけます。活用方法としては、リリースや、HPでの補足データとして、さらに、展示会での説得材料として、など様々です。まだ、データを存分に活用しきれていないお客さまがいらっしゃるかもしれません。今からでもぜひご活用くださいませ。
続いて、②オンライン報告会の開催です。お客さまが膨大なレポートを読み込む時間がない中でも、リサーチャーとディスカッションしながらユーザー理解が深められるメリットがあります。
最後に、③ご要望のクロスデータのご提供です。仮説検証のためのデータ把握ができ行動に即移せると好評です。
TPCでは、30分~1時間程度でレポート全ページをご試読いただけ、さらに、リサーチャーとのディスカッションにより、「課題解決が早い」、「クラスタの理解が深まった」と好評のオンラインミーティングを実施しています。
日時など気軽にご相談いただけますとうれしいです。
お待ちしております!
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 認知症予防の実態と商品ニーズ(第3弾)」レポートは絶賛発売中です。
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