美容・化粧品
第137回は、2025年6月30日発刊の『2025年 インナービューティの市場分析調査』です!
経口摂取による美容効果を訴求したインナービューティ商品について、サプリメント、飲料、OTC医薬品、ゼリーを対象に調査を実施。市場動向をブランド別、分野別、訴求別、成分別、チャネル別など多様な角度から分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの水上創、近藤加奈子、松井優太に調査のポイントをインタビューしました!
水上創 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Health & Food
課長 水上創
—Profile—
入社当時から、Food&Drink分野で市場調査と消費者調査を担当しているほか、
顧客の課題解決につながる独自調査にも多く携わっている。
近年は、プラントベースフードに関する調査を得意としており、これまで複数の市場調査や消費者調査、セミナーを行ってきた。
近藤加奈子 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health & Food
近藤加奈子
—Profile—
2024年に入社、ヘルスケア領域を担当。消費者調査を中心にレポート作成に携わっている。
学生時代は食品や栄養について学び、管理栄養士の資格を取得。
松井優太 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health & Food
松井優太
—Profile—
2024年に入社、健康食品分野で市場調査・消費者調査を担当している。
顧客一人一人に向き合い、最適なご提案ができるよう日々奮闘している。
休日は野球観戦や催事巡りなどの趣味を謳歌している。
―なぜ今回この調査を行ったのでしょうか?
松井:今回、私たちがインナービューティに関する市場分析調査を実施した背景には、複数の社会的・経済的な要因が存在します。まず第一に、健康や美容に対する消費者の意識が大きく変化していることが挙げられます。特に新型コロナウイルスの感染拡大以降、”体の内側から健康と美を育てる”という視点が注目され、免疫力の向上や腸内環境の改善、睡眠の質の向上など、“未病”へのアプローチが消費者に定着しつつあります。
また、SNSや動画配信サービスなどの情報発信の多様化により、エビデンスに基づいた製品選びや、ライフスタイルに即したパーソナライズドな提案を求める声も高まっています。かつては化粧品や外的なケアが中心だった美容意識が、いまや食・栄養・メンタルケアといった“内面”へと大きくシフトしているのです。
加えて、企業サイドにおいてもインナービューティ市場への新規参入が増加しており、既存メーカーを含めた競争環境が激化しています。その結果として、消費者が何を基準に商品を選び、どのような価値に共感しているのかといった深層的なインサイトを把握することが、今後の製品開発やブランド戦略において不可欠となっています。
このような市場の拡大と多様化を受け、私たちは“定量データと消費者のリアルな声”を融合させた調査を通じて、業界全体の発展に資する知見を提供したいと考えました。また、本調査は単なる数値の分析だけでなく、トレンドの背景にある価値観やニーズの変化を掘り下げることにも注力しております。
―なるほど、そのような背景があったのですね。
次に、今回の調査で、明らかになったことは何ですか?
近藤:今回の「2025年 インナービューティの市場分析調査」では、市場全体の回復傾向に加え、消費者の意識の変化やブランドごとの戦略の違いが鮮明になった点、美容+健康を訴求する商品が増加していること、以上3つが大きな収穫でした。
市場全体では、2024年の市場規模は1,092.5億円となり、2022年比1.02倍と着実に拡大しております。
消費者データでは、コロナ禍後における“内外美容”への関心の高まりや、“健康美”という新たな価値観が新たに見られ、これから伸びていくのではないかと考えております。
中でも新たな発見として挙げられるのは、美容効果だけでなく「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」といった健康機能を訴求する製品が増加し、実際に市場で成果を上げている点です。従来の美肌・美白中心の価値から脱却し、多面的なアプローチが求められていることが明らかになりました。さらには、効果の見える化を押し出した商品や、デザイン性を高めた商品展開など、成功しているブランドに共通する工夫も多く発見され、今後のマーケティングにおいて重要な示唆が得られました。
―美容だけの平面的な側面から、健康や商品の打ち出し方にも注目すべき点が見られたのですね!
では、インナービューティ市場では、現在どのような商品が注目されているのですか?
近藤:現在のインナービューティ市場では、「美容と健康の両立」をテーマにした製品が特に注目を集めています。これまでのような美肌や美白を中心とした商品に加え、ストレス緩和・睡眠の質向上・疲労回復など、心身の健康をサポートする機能を併せ持った商品の人気が高まっているのが大きな特徴です。
美容+健康を訴求した商品数に着目すると、2022年では18品目だったものが、2025年には35品目となり、着実に増加しております。また、謳われている訴求も多様化しており、疲れや整腸に加え、ロコモ、睡眠改善、更にはフェムケアなど、美容+αとする商品が確認されました。
具体的には、肌弾力の維持に加え、ストレス緩和と睡眠改善を訴求したポーラの「インナーリフティア ザ リキッド」や、酵母プロテインを配合したコーセーの「Nu⁺Rhythm」、さらにシミ対策と二日酔い改善を同時に訴求する「ハイチオールCプラスEX」などの商品などが支持を集めています。
また、手軽さや習慣化のしやすさも重要視されており、ゼリータイプやドリンクタイプなど摂取しやすい形状の商品も注目されています。2025年には、水なしで摂取が可能な「ホワイトフォースCパウダー」や、1日分の鉄分・ビタミン・コラーゲンが摂取できる「森永サプリメントウォーター」なども上市されており、関心を集めています。
―なるほど、健康美や手軽さ、習慣化を推す商品が注目されているのですね。
最後に、インナービューティ市場の調査について、お客様からはどのような感想・評価をいただいていますか?
水上:「2025年 インナービューティの市場分析調査」を通じて、多くの企業様より高い評価をいただいております。ある大手美容メーカーのマーケティング担当者様からは、「ブランド別の売上データや消費者ニーズ分析が具体的で、今後の商品開発に非常に役立つ内容でした」とのお声をいただいているほか、大手製薬メーカーのマーケティング担当者様からは、「消費者調査と組み合わせて活用をすることで市場と消費者両方の側面からアプローチができて非常に有効に活用できています」とのお声をいただきました。
また、今回の資料の注目ポイントとしている、美容と健康を融合した商品トレンドとマーケティング分析の項目では、「睡眠改善やストレスケアなど、多面的な価値を訴求できる製品の上市が増えている点は、商品戦略のヒントになった」といったコメントもいただきました。
健康美志向が進む中、今後も本調査は業界の羅針盤として、マーケティングと開発の両面で是非ともご活用いただきたいと考えております。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 インナービューティの市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。
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