美容・化粧品
第138回は、2025年6月27日発刊の『2025年 化粧品用シリコーン代替素材の市場分析調査』です!
長期的に需要拡大が見込まれる化粧品用シリコーン代替素材について、参入企業の動向や主要製品、市場規模などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの天野洋介に調査のポイントをインタビューしました!
天野洋介 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Chemical & Life Sciences
主任 天野洋介
—Profile—
入社当時から、Chemical分野での調査を担当している。
これまでに、医薬品原薬・中間体、界面活性剤、農薬、医薬品のCDMO市場等の調査を行った。
趣味はライブ観戦とギター演奏。学生時代からMr.Childenの熱狂的なファンであり、ライブも頻繁に行っている。
―なぜ、今回、化粧品用シリコーン代替素材の調査を実施しようとしたのですか?
天野:近年、環境配慮型やナチュラル志向の高まりにより、天然由来の化粧品素材が存在感を高めております。また、欧州におけるシリコーンを規制する動きを見せていることから「脱シリコーン」の流れが加速しております。そのため、化粧品原料市場の中で「シリコーン代替素材」への関心が急速に高まっていると考えられます。一方で、シリコーン代替素材は機能性・コスト・処方安定性などにおいて課題もあり、また、市場規模や市場の方向性についての実態が見えにくい市場となっております。
そこで本調査では、国内の化粧品用シリコーン代替素材の主要企業の動向や主要な代替素材の種類や特性、今後の市場性などを調査・分析することで、化粧品原料メーカー、商社、また化粧品メーカーのお客様に今後の製品開発・原料選定・戦略策定を行う上で有益な情報を提供できるのでは思い本調査を開始いたしました。
―なるほど。では、今回の調査について、どのような仮説をお持ちですか?
天野:化粧品原料市場では、サステナブルの観点から環境負荷の低減に資する研究開発が、今や大前提となっており、その流れを受けて、化粧品用シリコーン代替素材の市場は今後大きく伸長しているという仮説を立てました。
また、EUにおけるシリコーン規制の強化や、ナチュラル志向・クリーンビューティの潮流がグローバルに広がる中で、植物由来の炭化水素系油剤・エステル系油剤の採用が進んでおり、シリコーンの代替素材として一定の市場を形成していると見立てておりました。そのため、国内市場においても、原料メーカーや海外製品を扱う商社によるシリコーン代替素材の提案・採用が加速しているという仮説を持って、本調査を実施いたしました。
―わかりました。今回の調査で、何か新たな発見はありましたか?
天野:今回の調査を通じて、化粧品用シリコーン代替素材の市場は、私が当初仮説として想定していたよりも、まだ限定的な拡大にとどまっていることが明らかになりました。
特に、シリコーンが持つ独特の感触や撥水性、光沢といった高機能性は、現時点では完全に代替するのが難しく、用途によっては依然としてシリコーン需要が根強いという実態がありました。
一方で、代替素材の研究開発や採用も確実に進んでおり、現在はシリコーンと代替素材が競合しながらも、処方やコンセプトに応じて使い分けられる「共存関係」にあるという構造が見えてきました。
また、多くの原料メーカーや商社が将来的な完全代替を視野に入れた製品展開や製造体制の強化を進めている点も印象的でした。
今後は、「機能性」と「環境対応」の両立をどう実現するかが、今後の重要なテーマになると感じています。
―そうなんですね。「共存関係」にあることですが、今後の予測をお聞かせください。
天野:「化粧品用シリコーン代替素材市場」は、現時点では大幅な拡大は見込まれないものの、植物由来の製品を中心に着実に成長していくと予測しています。
一方で、「化粧品用シリコーン市場」においても、その独自の機能性から今後も一定の需要が維持される見通しです。そのため、今後しばらくは、代替素材とシリコーンが競合しつつも共存し、並行して成長していくと考えています。ただし、2030年以降は状況が大きく変化する可能性があります。
欧州におけるシリコーン(D4、D5、D6など)に対する規制の強化や、サステナブルな調達・製造を重視するブランド方針のさらなる加速により、特に揮発性シリコーンを中心に国内市場も徐々に縮小していくことが見込まれます。
一方で、植物由来アルカン、植物性スクワラン、天然由来エステルなどの低環境負荷素材は、より広い用途での採用が進み、市場が拡大していくと予想されます。
「機能性」と「環境配慮」の両立が求められる中、2040年以降には、シリコーンから代替素材への本格的な置き換えが進行していくと見込んでいます。
―ありがとうございます。最後に資料の活用ポイントを是非聞かせてください。
天野:本レポートでは、化粧品用シリコーン代替素材の市場規模や参入企業の動向、製品の特徴、そして将来の市場展望に至るまで、幅広く調査しております。
そのため、本資料は以下のような場面で特にご活用いただけると考えております。たとえば、製品開発や原料選定の検討材料として、あるいは中長期的な事業戦略立案に向けたデータソースとしてお役立ていただける内容です。今回の調査が、サステナブル対応や次世代素材の開発を検討されている皆さまにとって、今後の方向性を定める上での一助となれば幸いです。
また、第三者機関である調査会社だからこそ、客観的な視点でマーケット動向や今後の展望を把握できる点も、本レポートの大きな特長です。
化粧品用シリコーン代替素材の現状整理や課題の洗い出し、それを踏まえた将来の戦略立案などに、幅広くご活用いただける資料となっております。
シリコーン代替素材を展開されている方はもちろん、シリコーン製品を担当されている方や、周辺分野の企業様にもぜひご覧いただきたい内容です。ご興味がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 化粧品用シリコーン代替素材の市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。
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