TOPICS

2023.05.16

リサーチャーに聞く!#44 『業務用プラントベースフード市場の動向と将来展望 Ⅱ』調査のポイント

PRESS

FOOD & DRINK

第44回は、2023年3月31日発刊の『業務用プラントベースフード市場の動向と将来展望 Ⅱ』です!
業務用PBFの中でも代替乳や代替クリーム、代替チーズ、代替ヨーグルト、代替バター、代替魚介類、代替卵、その他種類といった代替肉以外のPBFに焦点を当てており、現在の市場の動向や参入企業の情報はもちろん、今後市場はどのように推移するのか2030年までの市場規模予測や今後の市場性について分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの水上創に調査のポイントについてインタビューしました!

 

水上創 プロフィール

リサ・リューション事業部 ソリューショングループ  Health&Food

課長 水上創

—Profile—

入社当時から、Food & Drink分野でマーケット調査と消費者調査を担当。
これまで多くの調査企画を提案し、実査を行っている。
近年では、マーケットと消費者ニーズの両面から今後の将来展望を分析する新たな調査レポートを確立し、
複数のテーマを発刊している。

 


―今回、業務用のプラントベースフード(PBF)の調査レポートの「Ⅱ」を発刊したということで、あらためましてなぜ企業向けに販売されている業務用のPBFにフォーカスを当てた調査を行ったのかお聞かせください。

水上これはPBFに限った話ではないのですが、業務用の情報についてはお客様から「市場の全体像がつかめるような情報は自力で収集しにくい。」といったご相談をたくさんいただております。その中で、PBFは比較的新しいカテゴリーなので「どんな商品が市場に出回っているのか?」「どのプレイヤーがどんな商品を展開しているのか?」など、とにかく分からないことが多いため、特にお客様からの要望が多かったカテゴリーとなります。

そこで、こうしたご要望にお応えするために業務用PBF市場の全貌を明らかにするための調査を実施しました。なお、このテーマに関しては代替肉に焦点を当てた「Ⅰ」と代替乳製品や代替魚介類、代替卵などに焦点を当てた「Ⅱ」に調査を分けており、今回は新たに「Ⅱ」の調査を行いました。

 

 

―なるほど、そうなのですね。では、業務用の代替肉以外のPBFにフォーカスを当てて調査したことで、明らかになったことは何ですか?

水上代替肉を除いた業務用PBF市場は代替乳が市場の大部分を占めているのですが、昨今カテゴリーの多様化が進んでいることから、代替乳以外のカテゴリーの構成比が年々拡大していることが分かりました。

具体的には、代替乳以外の構成比は2013年の16%から2022年に19%まで拡大。さらに、2030年には30%まで拡大する予測となります。特に、規模は小さいものの代替卵と代替魚介類が今後急成長していくとみられます。

このうち、代替卵は2021年6月にキユーピーが業務用製品の発売を始めたことをきっかけに注目を集めているほか、昨今の鶏卵の高騰をきっかけに、鶏卵から代替卵に切り替えたいという問い合わせも増えていることから、今後普及していくと考えられます。同じく、代替魚介類は2023年に入って食品大手の日本ハムが市場に参入したことで注目を集めており、日本ハムのように水産資源を守る取り組みのひとつとして代替魚介類を取り入れる企業は増えていくと予測されます。

 

―なるほど、それは今後の成長が期待できる注目の市場ですね。
それでは、そんな業務用PBF市場の中で、現在どのような商品が注目されているのですか?

水上そうですね、色んな注目商品があるのですが、市場の大きな動きとして、昨年(2022年)は油脂メーカーのPBF展開が加速したことが挙げられます。そして、現在、不二製油が「GOOD NOON」、ミヨシ油脂が「botanova」、ADEKAが「デリプランツ」、月島食品工業が「Poff」というPBFブランドを展開しているのですが、その中でミヨシ油脂が販売する「botanova 植物のおいしさ ラード風味」が注目商品のひとつです。

この商品は動物性原料不使用のラード風味の食用油脂であり、添加することで代替肉のメニューを動物性の肉と変わらない味にすることを訴求しています。弊社で行った消費者調査の結果では、代替肉のニーズがPBFの中でも群を抜いて高かったことからも、代替肉以外のPBFにおいては代替肉と関連させることが重要であると考えられます。その点、この商品は消費者においしいPBFを提供するためのサポート役として訴求を行っているところに注目しています。

ちなみに、これは食用油脂に限った話ではなくて、例えば代替チーズではプラントベースのチーズハンバーガーに、代替卵ではプラントベースの親子丼に、といった訴求が出来るかと思います。すなわち、PBFは各カテゴリーをバラバラで見るのではなく、PBFの食事・食生活を意識した全体的な視点が必要なのではないでしょうか。そこから、円滑なPBFの食生活を送るにあたって、各カテゴリーがどのようにアプローチしたら良いのか考えることが重要だと思います。

 

―なるほど、貴重なご意見ありがとうございます。
最後に今回の調査について、お客様からはどのような感想・評価をいただいていますか?

水上:ここは「Ⅰ」の調査と被る部分なのですが、「業務用のPBFについて、ここまで情報がまとまった調査レポートが無かったので助かりました。」といった嬉しいお声を多くいただきました。最初のお話とも重なりますが、「やはり、業務用PBFは分からないことが多いのだな…、調査を行って良かった。」とあらためて実感しました。

 

 

 

本日は貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューした市場調査レポートは絶賛発売中です。

また、TPCでは現在PBFの調査に力を入れており、これまで複数の調査を行っております。
「PBFに関する調査はTPCに!」
気になるテーマやお探しの情報がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

『業務用プラントベースフード市場の動向と将来展望 Ⅱ』